具体例を見てみましょう。
楽曲が変わっても考え方は応用できます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
この楽曲、書かれているテンポ自体は決して遅くないのですが、
慣例的にゆったりとしたテンポで演奏されますね。
その場合に問題となってくるのは
「ゆるやかなテンポだからこそ目立つペダルの濁り」
について。
多くの場合は4分音符ごとにペダルを踏みかえて演奏すると思いますが、
それだと、少なくとも筆者の耳には
譜例へ矢印で示した2箇所の濁りが気になります。
16分音符ぶんの時間だけ濁っているので
それほど長い時間ではないのですが、
ゆるやかなテンポだからこそ聴き取れてしまう。
(再掲)
おすすめは、
矢印で示したところでもペダルを踏みかえること。
ただし、1小節目のほうの矢印の部分では
和音の第3音(Gis音)が出てきていないので
ただ単に踏みかえると空虚な響きがしてしまいます。
そこで、直前に出てくる第3音(Gis音)を
フィンガーペダルで残しておいて踏みかえるといいでしょう。
このように、
わずかな濁りについても
可能な限り
考慮に入れる必要があるでしょう。
一方、ここで考えてみてほしいのは
「音楽の流れ」について。
上記のように
濁りにあわせて細かくペダルを踏みかえることで
音響がクリーンになることは間違いありません。
しかし、
それがあまりにもひんぱんだったり
テンポ設定が速めだったりすると
フレーズがブツブツして
音楽の流れがギクシャクしてしまう可能性が出てきます。
上記の譜例の部分でも、
最終的に演奏するテンポを速めにとる場合であったら
素直に4分音符ごとにペダルを踏みかえて演奏したほうが
音楽の流れはいいでしょう。
こういった視点も同時にもって
音楽の流れに悪影響がないかどうかも考慮に入れながら
ペダルを踏みかえるかどうかを決定してください。
最終的な仕上げのテンポが選択を左右します。
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