【ピアノ】ブルグミュラー25の練習曲が終わったら

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本記事では、独学でピアノを学習されている方向けに、「ブルグミュラー25の練習曲」修了後の最適な学習の進め方について解説しています。

 

【ピアノ】ブルグミュラー25の練習曲が終わったら

► 基本的な考え方

 

取り組む楽曲を決める時には、「練習曲」と「楽曲」に分類して考えてみましょう。

 

練習曲:
・「バイエル」「ツェルニー」などの技巧的な反復練習を重視した曲集
特定の演奏技術の習得を目的としている

楽曲:
「ソナチネ」「ブルグミュラー」などの音楽的表現を重視した曲集
演奏表現の幅を広げることを目的としている

 

► 推奨される学習方法

 

初級〜中級段階では、負担を考慮して以下の組み合わせをおすすめします:

・練習曲1冊 + 楽曲1冊 の並行学習
・1日の練習時間を両方にバランスよく配分

 

注:伝統的な進め方を取らない場合は、別のやり方でも構いません。

注2:ブルグミュラー25の練習曲は、タイトルに「練習曲」とありますが、実質的には「楽曲」として扱うべき曲集です。

 

目安としては、ブルグミュラー25の練習曲は「バイエルの後半あたり」から併用します。練習曲は「バイエル」が終わり次第、「ツェルニー100番」もしくは「ツェルニー30番」などに変更。

そして、楽曲は「ブルグミュラー25の練習曲」の次にどんな曲集に取り組むべきか、というのが今回の話題。

 

パターンは何通りか考えられます。

 

► ブルグミュラー25の練習曲修了後の選択肢

‣「ソナチネアルバム 第1巻」への進級

 

特徴と利点:

・古典派音楽の基礎を学べる
・ソナタ形式の理解に最適
・技術的な難易度が段階的に並んでいるわけではない

 

学習の進め方:

・1-12番が基本的な学習範囲
・推奨される最初の1曲:クレメンティ「ソナチネ Op.36 第1番」(第7番として収録)
・必ずしも全曲に取り組む必要はない
・13番以降は任意(他の曲集で学習可能な曲が多い)

 

「ソナチネアルバム 第1巻」は、古典派のソナタへ向かうにあたって通るべき曲集です。もちろん全曲に取り組む必要はありませんが、「クーラウ」や「クレメンティ」などの定番のソナチネには触れておくべき「1-12番までのソナチネが定番のもの」なので、ここから数曲抜粋して練習しましょう。

 

「1番」から順番に取り組んでいく曲集ではなく、難易度はバラバラに収録されています。

ソナチネアルバム 第1巻では「第7番」として収録されている、クレメンティ「6つのソナチネ Op.36 第1番」から取り組むのが一般的で、難易度としても一番取り組みやすい作品となっています。

 

「ソナチネアルバム 第1巻」の「第13番」以降の楽曲は、モーツァルトのソナタ集など別の曲集でも学習できる作品が中心。したがって、独学の方はパスしてもいいでしょう。

 

・ソナチネ アルバム 1(今井顕 校訂・注解) (Zen-on piano library)

 

 

 

 

 

 

‣ J.S.バッハ「2声のインヴェンション」への進級

 

特徴と利点:

・対位法の基礎が学べる
・両手の独立した動きを習得できる

 

学習上の注意点:

・独学者は解釈版の使用を推奨
・アーティキュレーション、運指、装飾音符の理解がないと、原典版での入門は厳しい

 

ソナチネではなく、J.S.バッハ「2声のインヴェンション」へ入るのもアリ

場合によっては、「ソナチネアルバム 第1巻」「2声のインヴェンション」「ツェルニー30番」などと、3冊を併用することもありますが、曲集が増えてしまい負担になってしまうと思います。

まずは2冊のみにしぼって学習していく方が、独学には適切でしょう。

 

練習方法ですが、原典版のヘンレ版などではアーティキュレーションが書かれていないので、J.S.バッハに慣れていない独学の方には向きません。したがって、「解釈版」をそのまま使って学習してしまいましょう。

おすすめの楽譜は、「園田高弘 校訂版 J.S.バッハ インヴェンション BWV772−786(春秋社)」です。

 

「アーティキュレーション」はもちろん、「運指」や「装飾音符の入れ方」まで幅広くカバーできます。解釈版の中でも詳しい印象があるということと、必要であれば校訂者による参考演奏音源も手に入れられることが信頼のポイント。

 

この楽譜の解説では、それぞれの番号をどの順序で取り組んでいくのがベストなのかについても書かれているので、基本的にはその順序で練習していけばOK

レヴェルも加味したうえで、インヴェンションの中における効果的な取り組み順序が考えられています。

 

・園田高弘 校訂版 J.S.バッハ インヴェンション BWV772−786

 

 

 

 

 

 

‣「ブルグミュラー18の練習曲」は使わないのか

 

位置づけ:

・全曲習得は必須ではない
・好みの曲を選んで単曲練習することを推奨

 

理由:

・この段階では新しい作曲家の作品に触れる方が有益
・ツェルニーで代替可能な技術的要素が多い
・25の練習曲と比較して曲集としてのバランスが劣る

 

ブルグミュラー25の練習曲に続いて取り入れられることがある、ブルグミュラー18の練習曲」という曲集があります。この曲集の中にも魅力的な作品は入っていますが、まるまる1冊全てに取り組む必要はないでしょう。

 

ブルグミュラー25の練習曲は、1曲あたりの楽曲の長さや音楽性の幅広さなども含め、総合的にバランスのとれた素晴らしい曲集でした。一方、ブルグミュラー18の練習曲」には、ややツェルニーの練習曲に置き換えられるような楽曲が見られます。

 

また、この段階にまで達したのであれば、ブルグミュラーではなく別の作曲家の作品にもどんどん触れていくべきだというのが大きな理由。

もしこの曲集の中に好きな楽曲があるのであれば、演奏会のためなどに単曲で取り出して練習してみるのはアリだと考えています。

 

・ブルクミュラー 18の練習曲 (Zen-on piano library)

 

 

 

 

 

 

► まとめ

 

「ブルグミュラー25の練習曲」修了後は、以下の2つの選択肢からどちらかを選ぶのがおすすめ:

・「ソナチネアルバム 第1巻」で、古典派音楽の基礎を学ぶ
・J.S.バッハ「2声のインヴェンション」で、対位法および解釈版による音楽表現を学ぶ

 

もし余裕があればですが、どちらを選択する場合も並行して適切な練習曲(ツェルニー30番など)を学習することで、バランスの取れた技術的・音楽的成長が期待できます。

 


 

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