注 : 本記事で譜例を取り上げている作品は
パブリックドメインになっている作品です。
出版社が独自につけたアーティキュレーションなど
権利に関わる部分は一切表示しておりません。
譜例はFinaleで作成したものです。
記事の信頼性
筆者は、音楽大学の学部および大学院を作曲専攻で修了し、
修士号(音楽)を取得しています。
また、音楽大学および音楽専門学校での指導経験も豊富です。
取り組む作品は「フーガの難易度」で選ぶべき
「J.S.バッハ : 平均律クラヴィーア曲集」は
第1巻と第2巻を合わせると相当な曲数がありますので、
漠然と挑戦してみたいと思っていてもどこから手をつけていいか困りますよね。
それに難易度もバラバラに並んでいるので、
第1巻の第1番から順番に手をつけていくのはオススメできません。
「平均律クラヴィーア曲集」は「プレリュード」と「フーガ」がセットで1曲になっており、
フーガには「声部数」の問題があります。
「2声のフーガ」は第1巻と第2巻全曲の中で唯一1曲のみです。(第1巻 e-mollのフーガ)。
しかし、このフーガはテンポが速いので、
導入者が丁寧に音楽をつくるためには
まずは
を選ぶのが得策です。
(プレリュードはどれも多声処理が難しくないので、快活な楽曲であっても対応できるでしょう。)
ただ、3声のフーガだからといって
必ずしも4声よりも易しい楽曲ばかりではないのです。
それに、4声といっても「部分的に4声になっているだけ」という楽曲もあります。
ますます選択に困ってしまいますね。
選曲のポイントは1つです。
ということです。
もちろん弾きたい曲があればそれに挑戦するのが一番ですが、
漠然と「平均律クラヴィーア曲集」に憧れている方は、
この考え方がベストでしょう。
はじめに取り組むのにオススメの番号3選
第1巻 第2番 c-moll
この曲をオススメするのは、「フーガが取り組みやすいから」です。3声のフーガになっています。
メロディックで楽曲としても味のある作品です。
冒頭のみ譜例を掲載しましたので参照してください。
オススメ度 第2位。
第1巻 第6番 d-moll
こちらは「平均律クラヴィーア曲集」入門として多く使われている楽曲です。
プレリュード、フーガ(3声)ともにテクニック的に取り組みやすく、
なおかつ、フーガが作曲の観点から非常に整ってできていますので
(バランスのとれた「反行主題」など。詳細は専門的になるので本記事では割愛します。)
迷わずオススメできる作品です。
オススメ度 第1位。
第2巻 第2番 c-moll
取り組みやすい「4声のフーガ」をもつ番号も1曲紹介しておきましょう。
第2巻 c-mollのフーガは部分的に4声になりますが、全体的に取り組みやすくできています。
オルガンを感じさせる堂々としたフーガでテンポもゆるやかですので、
丁寧に音楽をつくっていくことができるでしょう。
筆者の生徒が初めて「平均律クラヴィーア曲集」に取り組む際にも
「第2巻 c-moll」を与えることがありますが、
スムーズに導入できている印象です。
オススメ度 第3位。
使用楽譜の選び方
「ヘンレ版」を一冊持っておくことはもちろんオススメですが、
アーティキュレーションが書かれていませんので
「平均律クラヴィーア曲集」にこれから挑戦したい独学の方には向きません。
従って、「解釈版」をそのまま使って学習してしまいましょう。
オススメの楽譜は、
こちらの解釈版です。
第1巻、第2巻それぞれ2冊(計4冊)に分かれていて、なんとCDもついています。
「第1巻 第2番 c-moll(オススメ度 第2位)」
および
「第1巻 第6番 d-moll(オススメ度 第1位)」も収録
「第2巻 第2番 c-moll(オススメ度 第3位)」も収録
「アーティキュレーション」はもちろん、
「運指」や「装飾音符の入れ方」まで
幅広くカバーできます。
解釈版の中でも詳しい印象があるということと、
校訂者によるCD音源も参照できることが信頼のポイントです。
「平均律クラヴィーア曲集」は、
最適な曲を選んで丁寧に取り組みさえすれば
力のついてきているあなたが ”いますぐ” 挑戦できる楽曲もあります。
ぜひ本記事を参考に一歩踏み出してトライしてみてください。
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