今回は、
「rit. と書かれている場合」ではなく、
「書かれていないけれども、表現としてテンポをゆるめたいとき」
について学習していきましょう。
具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第23番 熱情 ヘ短調 op.57 第1楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、33-35小節)
35小節目からは新しいセクションになりますので
34小節目の四角で囲った辺りで
少しだけテンポをゆるめたいですよね。
実際に、多くのピアニストもそうしています。
ただし、
やり方を間違えてしまうと
音楽が止まってしまいます。
「テンポをゆるめても、小節の変わり目は間(ま)を空けない」
このことが大切。
「小節と小節がスムーズにつながっているか」をチェックしましょう。
ポイントは、
「音楽の流れの中で呼吸する」
ということ。
小節の変わり目で
「ヨイショ」とばかりに呼吸を入れると、
そこに不自然な「間(ま)」が空いてしまう結果となります。
(再掲)
そこで推奨できる方法が、
「四角で囲った箇所では、”遅くする” と思わず、”やや息を入れるだけ” と思うこと」
これなんです。
そうすると、
割とあっさり次の小節へ入るために
音楽が停滞しないで流れます。
「頭で遅くする量を考えるのではなく、呼吸で調節する」わけなので、
出てくる音楽も呼吸に沿った自然な動きになります。
rit. が書かれていないけれども
表現としてテンポをゆるめたいときは
たいていこのやり方でうまくいきます。
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