【ピアノ】連続して出てくる sf の強調の仕方を考えよう

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sf が連続して出てくるとき、
それらを
まったく同じような強調の仕方
にしないほうが良い場合もあります。

 

具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

モーツァルト「ピアノソナタ第10番 K.330 第1楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、62-64小節)

ここでは sf が4回出てきていますが、

それぞれをまったく同じように強調してしまっては

音楽的ではありません。

 

まず、

最初の2回が出てくる62小節目と

残り2回が出てくる63小節目を比較してみて

何が異なっているのかを調べてみましょう。

どちらの小節も

T→D→T→D(Tはトニック、Dはドミナント)

というように、

16分音符2つごとに機能がチェンジ。

しかし、後半の63小節目のほうは

第9音であるE音にフラットが付いてEs音になっていますね。

(複雑になるので今回は取り上げませんが、和声学では和音名に対して細かな呼称があります。)

 

(再掲)

つまり、簡潔に言うと

63小節目のほうが暗い響きになっています。

これを考慮してか

何人かのピアニストは

63小節目へ入ったときにややダイナミクスを落として

かつ、音色を曇らせるように弾いている。

結果として、sf の強調の仕方も

62小節目よりやや遠慮がちにしている。

そうすることで、

64小節目の軽快なパッセージとの

表現の差も出てきますね。

 

この解釈が唯一の正解というわけではありません。

しかし、

小節ごとに和声が変化して色も変わっていることを考えると

後半の2回の sf もすべて同じような強調の仕方をするのは

音楽的でないと理解できるはずです。

 

必ずしも、和声の知識をもっていなくても構いません。

実際にピアノで音を出してみて

その響きが自分の感覚に対してどう訴えかけてくるのかを

感じたうえで、

sf のニュアンスを考えてみましょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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