これまでにも
指が速く動くようになるための
さまざまな考え方を提案しており、
◉ 1拍などの短い単位ずつ区切って速く弾く練習をする
等、他にもいくつかお伝えしてきました。
ここでひとつ考えて欲しいことがあります。
指が速く動くようになるためには何が必要だと思いますか。
トレーニングをすることで
指の筋力をつけることは必要です。
しかし、指を動かすために必要なのは
それだけではありません。
筋力だけで指を速く動かしているなら、
ものすごく指が細く、しかし、ものすごく指が動く小学生のことは
どう説明すればいいのでしょうか。
指を動かすためには様々なアプローチができますが、
「頭の指令」が役割としては大きいと考えられます。
酔っ払っている時にピアノを弾くと
全然指が動かなくて驚きますよね。
酔っ払っても手は冷えません。
指の筋力が落ちるわけでもありません。
つまり、
頭からの指令が働きにくくなった結果です。
筆者は、
普段の練習の中に
「頭を混乱させるトレーニング」
を取り混ぜることをオススメしています。
例えば、
「コルトーのピアノメトード」より、
「4本の指の練習-1本の指を持続(指の均一と独立)No.2a-2e」
この5曲は、もちろん「指の独立」の練習ではありますが、
それとともに、
「頭を混乱させる内容である」
という点が大きな特徴です。
「似ているけど少し異なるパッセージ」を
「高速」で繰り返すことで頭が混乱します。
さらに「1本の指を打鍵したまま」なのでなおさらです。
これは、ハノンなどにはない特徴。
この練習課題で、
◉ 右手と左手を16音符分ずらしてスタートさせる
などといった方法を取り混ぜると効果的。
よりたくさん頭を混乱させる方法です。
大切なのは、
こういった練習課題を
◉ ものすごい速さで弾けるようになるまで
これらを目安に繰り返すこと。
そうすることではじめて1mm成長します。
これまでこういった練習を取り入れていましたか。
また、取り入れていた方は、
しつこいくらい徹底的にやり込みましたか。
指を速く動かすために必要なのは、
「指の筋力」だけでなくて、
「頭がその状況に慣れていること」
これが必要なんです。
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