【ピアノ】小フレーズ同士の関係を調べよう

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作曲家は
それぞれの小フレーズに
どのような役割を与え、
それらがどのような関係をもって
大フレーズを成立させているのか。
シンプルな具体例とともに学習しましょう。

 

多くの作品では

小さなフレーズが組み合わされて

大きなフレーズを形成しています。

つまり、

各々の小フレーズ同士の関係を調べて理解しないと

大きなフレーズを理解することはできません。

 

具体例とともに

フレーズをについて見ていきます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ショパン「ノクターン 第2番 op.9-2」

譜例(PD作品、Finaleで作成、曲頭)

 

版によって多少フレージングの違いがあるので、

今回はパデレフスキ版を元に解説します。

 

ここでは、

4小節間という

ひとつづきのメロディによる大フレーズが

4つの小フレーズから成り立っています。

【小フレーズA】 最初の語りかけ
【小フレーズB】 小フレーズAを発展させた、さらなる語りかけ
【小フレーズC】 小フレーズBとDをつなぐ、下行傾向の経過的な小フレーズ
【小フレーズD】 小フレーズBをさらに発展させた、大フレーズのクライマックス

 

主に、小フレーズBとDが

”ものを言う” フレーズになっています。

だからこそ、

小フレーズCは

あえて遠慮がちにつないでいる。

 

小フレーズDという

この大フレーズにおけるクライマックスを活かすために

どのような工夫がこらされているのか。

そういった部分に注目してください。

 

もっと細かく見てみましょう。

 

(再掲)

小フレーズAで出てくる

最初の6度跳躍のつかみ①が

小フレーズBで3回反復。

②は同型の入り。

③で、跳躍音程が1オクターブに広がり、

いっそう語りかけを強いものにしています。

④では、少し控えめの表現になることで

小フレーズBを自然に締めくくる準備をする。

そして、

小フレーズDの⑤では

③よりもさらに跳躍音程が広がり

10度跳躍することで

クライマックスを形成しています。

10度跳躍したことで

より高いエネルギーと緊張感が生まれましたが、

その後は「順次進行中心」ですので

音楽が自然とおさまりながら

大フレーズ全体が締めくくられます。

 

小フレーズD以外はすべて

フレーズ終わりの音が下行しているので

統一感が出てきています。

 

このように見ていくと、

各小フレーズ同士の関係にまで

細かくバランスがとられていることを

理解できますね。

だからこそ、

それらの結びつきが生まれて

有機的な大フレーズができるわけです。

 

小フレーズ同士の関係について調べることを

取り入れてみてください。

取りかかりはじめのうちは

「このふたつのフレーズは、問いかけと応答になっているな」

などといった

ざっくりとした見方のみでOKですので。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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