具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ラヴェル「クープランの墓 より リゴードン」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、中間部の終わり部分)
静かで美しい中間部から
ff による再現へ一気に戻りますね。
この場面転換の対比を表現したいところです。
楽曲を知らない聴衆は
まさかここでいきなり ff が戻ってくるとは
想像つかないでしょう。
「戻りますよ〜」
という雰囲気を楽曲からは感じないからです。
つまり、一種のサプライズ。
こういったサプライズの演奏ポイントとしては、
という記事で書いたのと同様で、
「これからきますよ〜、いきますよ〜」
などといった様子を
「視覚的」「演奏法的」に感じさせないこと。
これが効果的な演出につながり、場面転換が明瞭になります。
具体的には、
◉ ff の直前で大きく振りかぶらない
◉ ff へ近づくにつれて、顔を緊迫させていかない
など。
聴衆に予感させずに出てくるからこそ
意外性となり得るのです。
これは、すでに聴衆が楽曲を知っているかどうかは関係ありません。
演奏自体で新鮮味を感じさせることはできるからです。
「場面転換を明瞭にする」というのは
楽曲によって意味合いが異なります。
例えば、
◉ 音色変化
◉ テンポ変化
などさまざまな要素で場面を変えますよね。
一方、こういった要素だけでなく
先ほど解説したように
「聴衆に予感させずに出すこと」
という点でも、
場面転換の印象を操ることができることを
上手く利用していきましょう。
特に「”サプライズの” 場面転換」で有効に使うことができます。
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