「楽曲分析(アナリーゼ)」に挑戦している学習者さんから
以下のような質問を受けることがあります。
「どの形式にあてはまるのか、ピッタリはまらなくて分からなくなる」
というもの。
楽式論で学ぶ形式というのは
いちばんの基礎のカタチを扱っています。
実際の楽曲ではある程度変形されていたりして
形式のテンプレートに
ピッタリそのままあてはめるのは難しい場合もあるのは確か。
しかしそこは、
「例外の学習」で
ある程度補強できます。
例えば「楽式論 石桁真礼生 著(音楽之友社)」を見てみると、
「複合3部形式」だけれども、
かなり変形されている。
では、どこがどう変形されているのか。
それでもなぜ複合3部形式と言えるのか。
こういった、
いわば例外的と言いますか、応用的な事例が
形式別にいくつも解説されています。
私たちはこういった例外を複数理解していくことで
自力で構成分析する力がついてくるのです。
ややスパルタ的な言い方をしますが、
「自分の手を動かして勉強しないと力はつかない」
これをぜったいに忘れてはいけません。
それから、
楽曲の中には
必ずしも楽式論などで紹介されている古典的な形式に
のっとっていない楽曲もある、
ということを理解しましょう。
「楽式論 石桁真礼生 著(音楽之友社)」の中でも語られていますが、
該当しないからといって
形式がないのではありません。
音楽が存在するところには
その楽曲の形式はあるのです。
古典的な形式ではなかったというだけのこと。
とりあえずできることはあります。
ありとあらゆる面で
形式の分析に迷ったら、
「句切りだと感じるところに、縦線を入れていく」
ということだけでもやってみてください。
「メロディがひと段落したな」
などと、句切りを感じるところがあったら、
そこに縦線を引いて区切ってみてください。
◉ そもそも、古典形式に当てはまらないものなのか
仮にこういったことがわからなくても
線入れで区切りを整理することができれば
大きな一歩を踏み出したことになります。
これをやっていくだけで立派な形式分析ですから。
どんなにちょっとしたことでもいいので
できることからやってみましょう。
そして、
「楽式論」でも学びを深めていきましょう。
「楽式論 石桁真礼生 著(音楽之友社)」については
以下の記事で紹介しています。
ピアノ演奏に活かせる!参考書「楽式論(音楽之友社)」レビュー
【ピアノ】書籍紹介 : 最後の「ソナタ形式」「ロンド形式」学び直し
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https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
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