実例で解説していきます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は同様です。
クレメンティ「ソナチネ Op.36-1」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、1-7小節)
1-4小節目が「第一主題」
5-7小節目が「経過句」
となっています。
「繰り返し」という観点でみた場合、
同じカラーで示したところが共通部分です。
このように眺めると
譜例のところの ”すべての音” が
繰り返しという観点で説明できることになります。
この楽曲も含め、
「ほとんどの楽曲は繰り返しでできている」
と言っても過言ではありません。
具体的にみていきましょう。
(再掲)
◉ 黄色
1小節単位での繰り返し。
1,2,5,6小節目に登場。
◉ 水色
2小節単位での繰り返し。
1,2小節のカタマリが、5,6小節で繰り返し。
◉ 黄緑色
同じ音型の反復。
3-5小節で3回出てくる他、
7小節目に拡大形で内包されていることにも注目。
(再掲)
◉ 紫色
バスのパルス。
「1-2小節を半分に縮小した形が3小節目」と解釈することも可能。
◉ 赤色
トリル。
黄緑色で示した素材同士を連結させるためのブリッジ的な役割。
◉ 茶色
3度下降による同じ音型の繰り返し。
「丸をつけた音」と「そうでない音」とで
2声的なパッセージになっている。
◉ 淡い青色
カデンツにおける、よくある繰り返し。
それぞれ、裏拍から始まっていることに注意。
(再掲)
ちなみに、
各カラーで共有している音もありますよね。
ある音型の「終わりの音」であると同時に
「始まりの音」でもあるということ。
こういった音を「鎖のつなぎ目」などと呼ぶことも。
【ピアノ】譜読み&楽曲分析のコツ 〜「繰り返し」をテーマに〜
という記事では、
「繰り返しに関する前提知識(基礎講義)」
も取り上げて、
繰り返しについて
もっとも基本的な土台の解説をしています。
あわせて参考にしてください。
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