【ピアノ】徹底解説:各声部のバランスの取り方

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「聴かせるべき音と隠すべき音の弾き分け」
の重要性について
これまでの記事でも書いてきました。
今回は譜例とともに
詳しく見ていきましょう。 

 

記事の信頼性


 

筆者は、音楽大学の学部および大学院を作曲専攻で修了し、

修士号(音楽)を取得しています。

また、音楽大学および音楽専門学校での指導経験も豊富です。

 

■徹底解説:各声部のバランスの取り方

♬ まず、最低限把握すべきこと

 

具体例を挙げます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ブラームス「2つのラプソディ 第1番 Op.79-1 ロ短調」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、30-33小節)

 

まず、最低限把握すべきなのは

「メロディ」「バス」「伴奏」「対旋律」

これらの区別。

つまり、「役割分担をみる」ということです。

◉ 黄色マーカー メロディ
◉ 黄緑マーカー バス
◉ 水色マーカー 伴奏

 

【補足】
この譜例のところでは
対旋律はでてきていませんが、
伴奏の動きがメロディックですので
それらがどことなく対旋律的。

 

楽曲によっては

ときどき一時的にバスがいなくなったりと

上記のどれかの要素が不在になることもあります。

 

(再掲)

役割分担が分かれば

ファーストステップはクリアです。

 

存在感をもたせるべき優先順位は、

① メロディ
② バス
③ 伴奏

の順番となります。

 

メロディをバスの響きが支えて、

その合間を伴奏が控え目に埋めていく。

このようなイメージを持って演奏すると

立体的な演奏になるでしょう。

 

♬ 右手でとる伴奏音に注意

 

ここからは、

「聴かせるべき音と隠すべき音の弾き分け」

にあたって

演奏上気をつけるべきことを見ていきます。

 

(再掲)

赤丸で示した音は

右手でとるといいでしょう。

左手でとるよりも

演奏難易度としては下がります。

上段に書かれているので

右手でとると判断するのは容易ですが、

仮に下段に書かれている楽曲の場合であっても

必要に応じて両手で分担していく視点は持っていてください。

 

一方、

伴奏という同じ素材を両手で分担するわけですから、

音色などが変わりすぎて

デコボコしないように注意が必要。

 

自分の音を良く聴きながら練習するしかありませんが、

「両手の受け渡しポイントがいちばんギクシャクしやすいから気をつけるべき」

と意識があるだけでも

大きな好影響があります。

 

♬ メロディと音域が近い音に注意

 

(再掲)

赤丸で示した伴奏の音は

メロディの音域と近い位置にきます。

したがって、

メロディに対して

「ダイナミクス」や「音色」に差がついているか注意しましょう。

 

伴奏がメロディの一部に聴こえてしまうと

音楽そのものが変わってしまいます。

 

♬ 手が大きく横移動するときの直前の音に注意

 

(再掲)

青丸で示した音を弾いた直後、

次の音を弾くために左手が大きく横移動します。

それにつられて、この音が

◉ 大きく飛び出てしまう
◉ 雑になったり、欠けてしまう

などといった状態になってしまいがちです。

 

場合によっては

演奏を録音して客観的に聴いてみるまで

気付かなかったりしますから

「手が大きく横移動するときの直前の音」には

注意が必要なのです。

 

♬ メロディは mp で弾いてOK

 

(再掲)

ここまで読んできて、

バランスをとることの難しさを

改めて感じた方もいらっしゃると思います。

 

ただ、ちょっとした救いの手があります。

pp と書いてありますが、

メロディに関しては mp くらいのダイナミクスで弾いてOKです。

 

ダイナミクスの pp というのは

「ここからは pp の領域です」

という意味ですので、

その中にあって

聴かせる音と控える音があるのは当然のこと。

伴奏を pp で演奏すれば

全体的には pp の領域に聴こえます。

 

ひとつ注意点があるのですが、

「音色やテンションが変わってしまうほどのダイナミクスの読み替えはNG」

これを理解してください。

上記の譜例で

メロディを mf 以上で弾いてしまうと

さすがに音楽が変わり過ぎてしまいます。

たとえメロディを聴こえさせたいからといって

こういった解釈をしてはいけません。

 

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