【ピアノ】「ペダリングでは濁っていなければいい」から卒業する方法③

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具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ブラームス「6つの小品 間奏曲 Op.118-1 イ短調」

譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲尾)

最終小節へ入る直前に低いA音が出てきます。

この部分からペダル効果で最終小節までを含めて

A-durの主和音の響きをつくるわけなので、

ペダルマークが書かれているところで

ダンパーペダルを踏んだら

あとは曲の最後まで踏みっぱなしにすべきです。

しかし、

最終小節へ入ったときにペダルを踏み替えてしまう演奏が

意外と多いんですよ。

 

(再掲)

最終小節で踏み替えてしまうことで

大きくふたつの問題が生じます。

① 低いA音の響きが途切れるので、終止にふさわしくない第二転回形の響きになってしまう
② 低いA音の響きが途切れたときに、急に音響が薄くなったように感じてしまう

 

このうち、意外と意識から飛ばしがちな落とし穴が②のほう。

ピアノというのは減衰楽器なので

ペダルを使っていても

発音された音がどんどんと減衰していくのはとうぜんです。

ただし、

低いA音が鳴るのは最終小節のたった1拍前であり

鳴って間もないときにペダルを踏み換えると

いきなりそのバスの音響が断裂して

急にいなくなったような印象になってしまいます。

そして、最終和音は音域が高めなので

一気にバスが高くへ飛んだような印象に聴こえてしまう。

 

ダンパーペダルというのは

「濁るから踏み換える」というだけではありません。

今回のように

たとえ濁らなくても

踏み換えるべきでないケースはあるということ、そして、

ペダル効果をきちんと吟味しなかった場合の意外な落とし穴があるということを

踏まえておきましょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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