具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
シューマン「ユーゲントアルバム(子どものためのアルバム)より 兵士の行進 Op.68-2」
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、17-22小節)
黄色マーカーの終わりの音と
黄緑マーカーの始まりの音は
付点8分音符による団子和音でまとめられていて
声部分けされていません。
しかし、
複声部になっていることに気を配って
演奏する必要があります。
21小節目へ矢印で示したような
A音からE音へ跳ぶメロディではない、
ということですね。
新たなメロディのフレーズの始まりは
あくまでも黄緑のラインの部分からです。
(再掲)
演奏上どうすればいいのかというと
黄色の最後のA音と
黄緑の最初のD音を
同じくらいのバランスで弾けばOK。
D音のほうのメロディは
左手パートでもオクターヴユニゾンで補強されているため
結局、やや大きめに聴こえるからです。
フレーズ終わりとフレーズ始めの処理のことを考慮すると
A音のほうが大きくなってしまうのは音楽的ではありません。
いずれにしても、
各ラインのダイナミクスや音色の横つながり
を意識して演奏することが重要です。
今回取り上げた譜例のような
複声部が団子和音でまとめられているケースでは
どの音がどの音へ連結されているのかを
きちんと見抜くようにしましょう。
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