【ピアノ】ふと顔を出す即興的なパッセージ

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ふと顔を出す即興的なパッセージを素通りせず
気付いて、かつ、演奏上の表情を工夫しましょう。

 

具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ブラームス「4つの小品 第3番 間奏曲 Op.119-3 ハ長調」

譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、41-44小節)

f と書かれたところからの1小節半に注目してください。

突然挟み込まれてきた即興的な要素をもつ部分であり、

dolce で歌われていた曲想が

意外性をもっていきなり表情を変えます。

 

一種の作曲家の遊び心ですね。

曲頭から書かれている

「Grazioso e giocoso(優美に楽しげに、優雅さと遊び心)」

というのがすべてを物語っているかのよう。

このような即興的なところでは

真面目に弾いてしまわず、

スケルツァンドのような気持ちで

軽さをもって弾き分けるといいでしょう。

 

譜読みのときに

「ここは何だか即興的だな」

などと勘がはたらくかどうかがカギ。

この楽曲では後

「もっと長大な単位にまで拡大された即興的なパッセージ」

も顔を出します。

 

今回はブラームスの作品を例に出しました。

ちなみにプーランクは、

上記譜例のような

正統さの中に不意に諧謔的なパッセージを挟み込んでくる達人です。

【ピアノ】美しさやカッコ良さだけが楽曲の良さではない

という記事で解説しているので

あわせて参考にしてください。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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