【ピアノ】ソフトペダルが弱音ペダルではないことが分かる例

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本記事では、
ドビュッシーの作品を例に
「音色を変えるためのソフトペダルの見分け」
について解説しています。

 

以前より、

「ソフトペダルは “音量” を下げるためではなく、”音色” を変える意図が大きい」

とお伝えしてきました。

もちろん音量も下がりますし、

大きくしたくないところで適切に用いても構いません。

しかし、

本質的には「音色変化」なのです。

 

ソフトペダルが

いわゆる「弱音ペダル」ではないことを

ドビュッシーの楽曲の中で読み取ることができますので、

具体例として取り上げます。

 

ドビュッシー「版画 1.塔」のFirst editionを見てみると、

11小節目から「2 ped.」と書かれています。

これは、

意外かもしれませんが

「ソフトペダルを使用する」という意味で、

つまりここでは、

「ダンパーペダルとソフトペダルを両方使用する」

ということになります。

そこからのダイナミクスは p ですが、

そこまでのダイナミクスは pp

つまり、

ソフトペダルを使うように指示があるところから

ダイナミクス自体は上がっているのです。

 

ドビュッシーの自筆譜には「2 ped.」と書かれていないので、

どの段階でこの指示が入ったのか、

また、ドビュッシー自身の指示なのかは、はっきりしません。

しかし、

少なくともFirst editionからは

ソフトペダルを

「音量を下げるため」

ではなく、

「音色を変えるため」

に用いて欲しいのだろうということが伝わってきます。

 

念の為の補足です。

【ピアノ】狙った弱音を欠けないで出す方法

という記事でも書きましたが、

「弱音」の奏法というのは

「鍵盤が下がっただけで音が出なかった」

などといったことになってしまいがち。

そこで、

「ソフトペダルを踏んだ上で、打鍵は一段階上のダイナミクスで演奏する」

というテクニックを用いる場合があります。

しかし、

これは譜面上でケアする問題ではありませんので

特別の考慮は不要です。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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