ダンパーペダルを使ったときに
誰が聴いてもNGなのは、
特別な意味がないのにも関わらず
ただ濁っていることです。
しかし、
「ペダリングでは濁っていなければいい」
というだけではありません。
…という話題の2例目。
具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
譜例(PD作品、Finaleで作成、26-28小節)
上段に出てくる16分音符の動きに注目してください。
パッセージ的には
和音の中で分散されているだけなので
和音変化の際に踏み替えさえすれば
ペダルを使っても濁りはしません。
しかし、
このような軽さが欲しいパッセージでは
あえてペダルを用いないほうがいいでしょう。
たとえ濁らなくても
ペダルで和音化されたウェットな響きは
ここでのコロコロした軽さからは遠く離れたもの。
前記事の例も含め、
こういった例を
いくつも引き出しへ入れておくことで、
「ペダリングでは濁っていなければいい」
という考え方から卒業することができます。
笈田光吉 氏は
「ピアノペダルの使い方」(笈田光吉 著 音楽之友社)
という書籍の中で
同じような表現について
以下のように書いています。
故意にペダルを避けて、可憐な優美さを表現する方法がある。
これはモーツァルトなどにしばしば見受けられる。
しかしこの方法は多くの場合、無味乾燥な結果をもたらす故、
発想の点で非常に注意しなければならない。
ペダルを用いずに優美さを出す例として次の二つを挙げる。
(文章の抜粋終わり)
モーツァルト「2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448 第1楽章より」
抜粋譜例(PD作品、Finaleで作成)
◉ ピアノペダルの使い方(笈田光吉 著 音楽之友社)
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