【ピアノ】ペダリング箇所の決定方法

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本記事では、
「ダンパーペダル」における「ペダリング箇所の決定」について
基礎の「キ」を解説しています。

 

「ペダリング箇所の決定

については、

「楽曲の前後関係」や「奏者が表現したい内容」

などでも変わるので、

「これだけやれば完璧」

などといった攻略法はありません。

一方、

普遍的な部分についての

アドバイスをすることはできます。

 

楽譜に書いてある「ペダリング」というのは、

言葉を選ばずに言えば

「いい加減」なことが多いので、

うのみにして書いてある通りに踏むと

不自然になってしまうことも。

この部分の見極めが難しいですが、

ある程度は自分で考えるというのが前提です。

 

もっとも重要な観点は

「音楽的にバスがどこまで伸びているのか」

ということ。

 

例えば、次のような伴奏があったとします。

もし楽譜にペダリングが書いてなければ、

①か②のように、

ペダリングを自身で決定する必要がでてきます。

 

①は、3拍目でペダルを踏み変える場合。

実際の音響は右の譜例(上段)のようになります。

このペダリングの場合は、

コードネームで示したように

「1小節に2種類の和音が現れている」

ということに注目してください。

 

(再掲)

一方、②の場合は、

1小節まるまるペダルを踏んだままにする場合。

実際の音響は右の譜例(下段)のようになります。

このペダリングの場合は、

「1小節に1種類の和音のみしか現れていない」

ということに注目してください。

 

作曲家がはじめから右の譜例のようにタイを使って書いてくれていれば

ペダリング箇所を決定する参考になるのですが、

多くの場合は左の譜例のように書いてあるはずです。

なぜかというと、

「楽譜が見やすいから」

これだけの理由です。

楽譜というのは

「利便性」も考えられているケースが多いので、

「奏者のほうで判断できるだろう」
「奏者に任せよう」

というところでは

「なるべくシンプルな記譜」になっているのです。

 

こういったことを踏まえたうえで

「ではどちらのペダリングにしようか」

などと考えていきます。

もちろん、

「右手のメロディ」も同時に出てきている場合は

それらも考慮して濁らないほうのペダリングを選ぶことになります。

 

(再掲)

注目すべきことは

「ペダリングによってバスの音響がどこまで伸びているかが変わるため、和声自体も変わる」

ということ。

演奏する音自体は同じであるにも関わらず。

 

譜例の場合、①と②のどちらでも成立します。

一方、

その雰囲気や和声は異なり

チョイスは奏者のセンスに任されています。

本記事の最初に、

「ペダリング箇所の決定」については、
「楽曲の前後関係」や「奏者が表現したい内容」
などでも変わるので、
「これだけやれば完璧」
などといった攻略法はありません。

と書いたのは

こういうことなのです。

 

「ペダリング」は

作曲家自身による指示が少ない要素のひとつであると言えるので、

「再現性」という意味でも、

「音符」や「休符」、「和声」などから

「ペダルがどこまで伸びているか」

つまり、

「”ペダル効果” がどこまで続くのか」

を考えることが必要です。

 

いくつか補足ポイントを残しておきます。

 

Ⅰ. 楽曲を見ていくときには「突然バスがいなくなるところ」をチェックする

 

「直前のバスがペダルで残っていていいのか」

それとも、

「ペダルを切ってバスの音響を完全になくしたほうがいいのか」

こういったことを考えましょう。

 

Ⅱ. 「軽さ」を表現したいときには「ノンペダル」か、使ったとしても「少なめ」にするのがベター

 

先ほどの譜例を見てもわかりますが、

ダンパーペダルを使用すると

フレーズの音響が「和音化」されることになります。

したがって、

ペダルを踏むところを少なめにしたほうが

「軽さ」という点ではよりよい選択になります。

 

Ⅲ. 「踏まなくても成立するところは踏まない」ということを前提として、踏むところを決定していく

 

これは困ったときに使えるひとつの方法。

「ペダルは少なめのほうが精神的に高いところにいくケースが多い」

というのは、

様々な演奏家も語っています。

 

Ⅳ. おまけ(中級者以上向け)

 

Ⅲ.の内容と矛盾するようですが、

中級者以上の方は

以下、本項目の内容も考えてみましょう。

 

「たった1音」を演奏するときでも、

「普通に弾いたドライな音」と

「ダンパーペダルを踏んでいる場合の音」

はまったく異なります。

 

「手でつながるから踏まない」

というのも選択肢ではあるのですが、

「この音色の違いを使い分けることを前提に、踏むところを考える」

というのも

中級者以上の学習者には必要な観点

ほとんどの楽譜のペダル記号は教えてくれない部分です。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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