【ピアノ】音価を参考に、音楽の方向性を考えてみる

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音楽を読み取っていくときに
「音価」がきっかけで
音楽の方向性が見えてくることもあります。

 

具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

モーツァルト「ピアノソナタ 変ロ長調 K.333 第1楽章」

譜例(PD作品、Finaleで作成、64-70小節)

同じ音型が3回反復されている、

カギマークで示した部分のメロディを見てください。

よく読んでみると

ただの繰り返しではなく

丸印で示した部分の音価が異なっていて、

1回目と2回目は8分音符ですが

3回目は4分音符になっている。

 

8分音符の1-2回目は

3回目よりも軽さを感じますね。

したがって、

1回目から3回目へ向かっていくように弾くと

音楽の方向性が見えやすくなります。

 

原典版では特にダイナミクスは書かれていませんが、

この3回の繰り返しでは

段階的なクレッシェンドでダイナミクスを上げていって

3回目へ向かっていくのも

解釈の一案と言えるでしょう。

実際に、何人かのピアニストはそのように演奏しています。

 

なぜ、グーっとクレッシェンドしていくのではなく

段階的なクレッシェンドにすべきなのかについては、

以下の記事を参考にしてください。

【ピアノ】クレッシェンドの記譜法の違いから読み解く作曲家の意図

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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