具体例をひとつ挙げます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、62-66小節)
64小節目に書き込んだペダリングを見てください。
Aのほうは
3拍目で踏み替える例。
ひとつだけ条件をつけますが、
この場合は
1拍目の低いG音を
小節いっぱいフィンガーペダルで残しておくこととします。
深く豊かな音響が得られるのを想像できますね。
一方、Bのほうは
それぞれの拍でペダルを踏み替える例。
この場合は
1拍目の低いG音をフィンガーペダルでは残さずに
楽譜通りの音価で弾くこととします。
(再掲)
どちらのやり方が
この場面にふさわしいと思いますか。
正直、どちらでも成立はしますが、
ここでの音楽にふさわしいのは、Bのほうでしょう。
理由としては、
そのほうが
次の小節へバスラインの移り変わりが違和感なく入れるから。
Bのやり方では
2拍目の頭ですでに低いG音の響きが消えるため
65小節目の高めのバスへスムーズに連結可能。
65小節目から新しいセクションではありますが
明らかに音楽の内容はひとつながりなので
スムーズに入れたほうが得策でしょう。
一方、Aのほうのペダリングおよびフィンガーペダルの処置では
小節いっぱい、1拍目の低いG音が響いていることになる。
つまり、
65小節目へ入るときに
かなり大胆にバスが跳躍してしまうことになり
いきなり音響が薄くなったような印象になってしまう。
今回はフィンガーペダルによる条件もあわせてのものでしたが、
いずれにしても
「ペダル効果でどの音がどこまで伸びているのか」
という視点をもつことは
ものすごく重要。
Bのやり方が唯一の正解というわけではありません。
しかし、
どちらでも一応成立するからどちらでもいいのではなく、
音楽面を考えて最適なやり方を選ぼうと思うと
結構慎重に考える必要があるということを
今一度意識してみてください。
【ピアノ】ペダリング箇所の決定方法
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg
筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。
コメント