【ピアノ】バスラインの扱い方を細かく検討する

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以前に、
【ピアノ】バスラインの移り変わりをどう違和感なく聴かせるか
という記事を書きましたが、
今回も
「バスラインの扱い方」をテーマに
さらに幅広く検討してみましょう。

 

具体例をひとつ挙げます。

 

ショパン「バラード第1番ト短調 作品23」

譜例(PD作品、Finaleで作成、72-75小節)

まず読み取らないといけないのは、

ショパンが書いた独特な分散和音における和声変化について。

どこからハーモニーが移り変わるのかを

見なくてはいけません。

 

ここでは、コードネームで書き込んだように

1小節2和音として、同型を反復させながら下降していく形をとっています。

(メロディに書き込んだ ×は非和声音、⚪︎は和声音)

 

一方、

ここでどのようにバスラインを扱っていけばいいのかについては

選択の幅が出てきます。

 

(再掲)

Aのほうでは

(6/4拍子の)4拍目に出てくる丸印をつけた音を

2和音目のバスラインとして扱っており、

ペダリングも含めていちばんオーソドックスなやり方。

 

Bのほうでは

3拍目に出てくる丸印をつけた音を

2和音目のバスラインとして扱っています。

この場合はとうぜん、

丸印の音をフィンガーペダルで4拍目以降まで残しておき

ペダルで拾ってあげなくてはいけません。

 

どうしてこんなことが可能なのかというと、

3拍目に出てくる丸印をつけた音は

譜例中のどの小節においても

2和音目にも含まれる構成音だからです。

ペダル効果で伸びるので

実質、転回形にしたような響きが生まれます。

 

(再掲)

ひとつ検討すべき事項があります。

AとBのどちらのケースでも

ペダリングによって

各小節の3拍目でメロディが濁って聴こえてしまう。

どの小節も

2拍目から3拍目にかけて2度音程で動いているからです。

 

そこで、

3拍目と4拍目の両方でペダルを踏みかえるのも一案と言えます。

その場合は、

3拍目で音響が希薄にならないよう

1-2拍目の下段の音を

3拍目で踏みかえるまで

フィンガーペダルで残しておくといいでしょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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