ピアノにある程度慣れてきた学習者が陥りがちな問題点があります。
それは、
「ダンパーペダルの使いすぎ」
これなんです。
どこでもペダルを踏んでしまい、
濁りに対して鈍感になりがちとなってしまう。
これはほんとうにあるある。
「ペダルをどこでどのように使うのか」
という観点はもちろん、
すでに譜読みが終わっている作品で考えるべきなのは、
「ペダルをどこで使わないのか」
という引き算の考え方です。
ペダルを使うことで
すべての音が和音化してしまうと
作曲家の意図から離れてしまう可能性があります。
例えば、
以下の譜例のようなところでは
ペダルは使わずに
メロディを指でレガートにして弾くといいでしょう。
メンデルスゾーン「無言歌集 第6巻 失われた幻影 Op.67-2」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、4-6小節)
典型的なスタッカート伴奏
フォーレ「ノクターン(夜想曲)第6番 op.63」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、19-22小節)
フォーレが好んだ、裏打ちのシンコペーション音型
正直どちらも、ペダルを使ったほうが弾きやすいのは確か。
メロディもつなげやすいですし、
音の欠けも目立ちにくくなります。
しかし、
ペダルをできる限り減らしたほうが作曲家の意図に近いのは
言うまでもありません。
演奏者によって手の大きさは異なるので
メロディラインのアーティキュレーションを
手で表現できないところに限り
最小限でペダルを使うのがいいでしょう。
反対に考えてみましょう。
もしあなたが作曲やピアノアレンジをする場合に
上記譜例のような書法をとるのであれば、
運指を深く検討し
メロディを指でレガートにできることを前提として
音を選んでいかなければならないということ。
そうでなければ、
演奏者は確実にペダルを使ってしまう。
その結果、
伴奏部などに期待と反する音響が生まれてしまうのです。
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