【ピアノ】小節途中からのセクション変化を読み取る

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楽曲分析において、セクションの変化を正確に把握することは演奏の方向性を決める重要な要素です。本記事では小節途中からのセクション変化について、具体例から学んでいきましょう。

 

モーツァルト「ピアノソナタ 変ロ長調 K.570 第2楽章」

譜例(PD作品、Finaleで作成、曲尾)

 

53小節目(矢印)からエンディングが始まります。なお、48小節目からをコーダとする解釈も音楽的に成立します。ポイントは以下の3点:

1. セクション開始位置:一般的な小節頭からではなく、3拍目という小節途中からセクションが変化しています。

2. 動機の再利用:53小節のカギマークで示した部分は、39小節1-2拍目の素材を再利用しています。ただし39小節目と異なり、この動機を直接エンディングへ接続させています。

3. 拍節の調整:エンディングは小節途中から始まっていますが、1小節半という長さで自然に最終小節に接続され、拍節感が整えられています。

 

小節途中からのセクション変化は頻出する手法。

構成の把握をしていることで、どこまでを大きく一つで引っ張っていくかに影響があります。演奏の方向性を決める重要な要素となるため、すぐに見抜けるよう注意を払いましょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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