【ピアノ】譜読み&楽曲分析のコツ 〜「繰り返し」をテーマに〜

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♬ さらなる譜読みのコツを知りたい

♬ 比較的簡単な楽曲分析のコツを知りたい

 

こういった希望に応えます。

 

テーマは

「繰り返し」に焦点を当てたアプローチ。

「基礎講義」 → 「具体例」

の2ステップで学べます。

 

■譜読み&楽曲分析のコツ 〜「繰り返し」をテーマに〜

♬ 繰り返しに関する前提知識(基礎講義)

 

譜読みを的確かつ効率よくおこなったり、

楽曲の成り立ちを把握したりするためには

「繰り返し」を見つけることがポイントとなります。

正直、繰り返しを洗い出すだけでも

楽曲のことがかなり見えてきます。

よほどの例外曲を除けば、

「ほとんどの楽曲は繰り返しでできている」

と言っても過言ではありません。

 

繰り返しのうち、

もっとも基本事項の分類をしていきます。

 

まずは「分かりやすさ」による分類。

◉ 分かりやすい繰り返し
◉ わかりにくい繰り返し

 

分かりやすい繰り返しとは

「まったく同じものがそのまま繰り返されている」

「まったく同じメロディを繰り返して、和声のみ変化している」

などといった例。

 

分かりにくい繰り返しとは

「大幅に変形されて繰り返されている」

「断片的に引用されている」

他。

 

さらに「長さ」による分類。

◉ 長い単位での繰り返し
◉ 短い単位での繰り返し

 

長い単位での繰り返しとは

「8小節など、セクション単位での繰り返し」

「再現部など、いわゆる回想的繰り返し」

他。

 

短い単位での繰り返しとは

「1拍単位での繰り返し」

「1小節単位での繰り返し」

他。

 

♬ 繰り返しに関する実例

 

ここからは実例で解説していきます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は同様です。

 

モーツァルト「ピアノソナタ第11番 K.331(トルコ行進曲付き) 第3楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、1-8小節)

この記事では、

アウフタクトは1小節分に数えていません。

黄色ラインで示したところは

「短い単位での繰り返し」です。

音域自体は上がって行きますが、

明らかに同じリズムを繰り返しています。

3小節目では

それを「断片的」にして2回反復。

 

(再掲)

緑ラインのところも、

「短い単位での繰り返し」です。

3回反復され、

3回目(7小節目)では変形しています。

 

ちなみに、

作曲を学ぶ基礎段階で広く教わる

「繰り返しの法則」があります。

「繰り返しは3回まで、そして3回目は少し変えるべき」

というもの。

もちろん例外はあるのですが、

ここでは当てはまっていますね。

 

(再掲)

 

左手に関しても繰り返しばかり。

(短い単位での繰り返し)

水色ラインで示したように

同じ音型が続きます。

3小節目では「断片的」にして2回反復。

先ほども書きましたが、

この小節は右手も断片的になっていますね。

4小節目から元に戻り、7小節目は変形しています。

 

(再掲)

 

この8小節間が「リピート記号」で反復されます。

(長い単位での繰り返し)

 

また、この楽曲では

譜例で示したところが何度か再現されます。

「16小節〜、64小節〜、80小節〜」の3箇所。

つまり、

これらも別の観点からみた ”回想的な” 繰り返しです。

(長い単位での繰り返し)

 

他にも

「モチーフの再利用」という観点で言えば、

最初の8小節間の素材が

全曲に渡って応用されています。

 


 

以上、抜粋による簡潔な解説でした。

たった数小節だけでも

繰り返しが驚くほど多く使われていましたね。

こういったことに意識を向けると

楽曲の見え方が変わってきませんか?

 

モーツァルト「トルコ行進曲」

に限った話ではなく、

あなたが今取り組んでいる作品にも

きっと繰り返しがたくさん使われているはずです。

 

数多く出てくる繰り返しを見抜いて整理することは

立派な楽曲分析。

譜読みの質にも直結します。

繰り返しを正しく整理しておくことで、

「暗譜」をする際の混乱も防ぐことができます。

 

楽曲へのこういったアプローチを

取り入れない手はありません。

ぜひ今回ご覧にいれたような観点で

楽曲を学んでみてください。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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