【ピアノ】「間(ま)」を取るべきでないところの典型例

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不自然な「間(ま)」を取って
音楽を停滞させてしまっていませんか?
取るべきではないところについて
「エネルギーの流れ」の視点から解説します。

 

「間(ま)」というのは

上手く使うことで

◉ 転調を印象的に聴かせることができる
◉ 音色をガラリと変えることができる
◉ 音量を上げなくても強調したように聴かせることができる

などをはじめとして、

表現の味方になってくれます。

 

しかし、

このブログで何度も書いているように

音楽の流れを止めてしまうような「間(ま)」をとることほど

もったいないことはありません。

 

「間(ま)」を取るべきでないところの典型例を

ひとつ見てみましょう。

 

具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ブルーメンフェルド「左手のためのエチュード op.36」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、43-44小節)

小音符のところからは

カデンツァ風になっています。

ここの入り、

つまり「①(小節の変わり目)」の部分で「間(ま)」をとってしまうと

音楽が停滞してしまいます。

やってしまいがちな典型的音型例です。

 

どうしてなのか分かりますか。

クレッシェンドで音楽の方向性が示されており、

明らかに丸印をつけたFes音が頂点で

そこへ音楽が向かっているのに

その前で一息ついている場合ではないからです。

 

(再掲)

①のところでのろくなってはいけません。

もし待つのであれば、②で待ってください。

ノンストップで②へ入ってしまって、

それからショートフェルマータ。

 

待つところが音符ひとつぶんずれただけで

一気に音楽の方向性が明確になるのを

感じることと思います。

 

音符は一通り弾けるようになってからが勝負。

といいますか、

譜読みの段階から

こういうことも読み取れるようになるのがベストです。

楽譜から

「音楽の方向性」

つまり

「エネルギーの流れ」

を読みとってください。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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