例えば、
右手で跳躍後に超高音を弾くとします。
ショパン「エチュード Op.25-5」の曲尾など
たくさんの例がありますね。
こういった場合は
原則として小指でその音をつかむことになりますが、
同時に、その1オクターヴ下の音を
親指で弾く練習をしてください。
つまり、オクターブでつかむ練習をしておき
その感覚を覚えておいたまま
小指だけの演奏に戻すんです。
ひとつ前の記事でも書きましたが、
日常生活において
指を1本ずつ単独で動かす機会は
相当限られており、
あらゆるときに
親指とセットでモノをつかんでいます。
つまり、親指というのは
手を安定させるために
非常に重要な役割をもっている。
親指をセットで意識することで安定感が増し、
さらに、
親指と小指で1オクターヴをつかむ間隔を
感覚として覚えておくことには
効果があるわけです。
少なくとも、
小指だけを単独で飛ばして
「当たった!当たらなかった…」
などと賭けみたいなことをやっているよりは
余程練習の意味があるでしょう。
この練習方法は、
「白鍵から黒鍵」「黒鍵から白鍵」
というように
斜めに跳躍する場合よりも
「白鍵から白鍵」「黒鍵から黒鍵」
というように
平行的に跳躍するところを練習する場合に
より効果的な練習となります。
親指の準備のために手をひねらなくていいからです。
右手の例で解説しましたが、
左手で跳躍する場合も
反対に考えて応用してみてください。
最後に、
「ピアノの知識と演奏―音楽的な表現のために」著 : 雁部 一浩 / ムジカノーヴァ
という書籍の中で解説されている
跳躍のヒントを紹介しておきましょう。
ショパンのスケルツォ第2番の結尾和音のように
左右に遠い跳躍では特に目の使い方が重要である。
このような場合、
打鍵に先立って片方の鍵盤の位置を確認し、
もう片方を打鍵の瞬間に見ると良い。
(抜粋終わり)
できている方にとっては、
「確かに、そうやっているな」
といった確認に過ぎないかもしれませんが、
跳躍を当てずっぽうでやってきた方にとっては
参考になるかもしれません。
◉ ピアノの知識と演奏―音楽的な表現のために 著 : 雁部 一浩 / ムジカノーヴァ
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