という記事では、
「トリル演奏におけるレガートとノンレガート奏法」
について解説しました。
とうぜん、
「通常の速いパッセージにおけるノンレガート」も
表現の引き出しへ入れておくべきです。
よく、
「J.S.バッハの8分音符は原則ノンレガートで」
などという解釈がありますが、
ノンレガートというのは
もっと細かな音価にも使えるんです。
例えば、次のような16分音符のパッセージなど。
モーツァルト「ピアノソナタ ニ長調 K.311 (284c) 第3楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、5-8小節)
もちろんレガートでも成立するのですが、
ノンレガートで演奏すると
コロコロとした雰囲気が出るため
この場面によくマッチしますよね。
レガートにすると
ウェットなサウンドになり、
音の粒が見えにくくなります。
一方、
ノンレガートにすると
ドライなサウンドになり、
音の粒も見えやすくなります。
スラーが書かれていない場合は
楽曲によって
どちらのニュアンスが合っているのかを考えて選択する必要があります。
では、
「どうやったら速いパッセージをノンレガートにできるのか」
についてですが、
以下の練習をしてみてください。
② そのときの指先の感覚を覚えておいてから、テンポを上げる
どうしてこの2ステップを踏む必要があるのかというと、
速いパッセージでは
実質、指先で切りながら弾くことはムリだからです。
たいてい、間に合いません。
しかし、
中ぐらいの速度でノンレガートにしたときの感覚を覚えておき、
その感覚だけを意識した上で
速度を上げて ”普通に” 弾く。
こうすることで
ノンレガートのサウンドに近づくことができます。
慣れてしまうと
どのような指先の感覚でパラパラすればノンレガートになるのかが
身についてしまうので
上記のステップを踏む必要はなくなるでしょう。
あわせて言えるのは、
「特に ”速いパッセージ” におけるノンレガートというのは、軽さと表裏一体」
ということです。
演奏中に「軽さ」を意識することは重要になってきます。
これ以上は言葉で説明するのが難しい。
ここからは
練習しながら自身で探っていくしかありません。
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