内声にメロディが埋め込まれている書法は
よく見られます。
例えば、以下のような例。
シューマン「3つのロマンス Op.28 より 第2曲」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
リスト「愛の夢 第3番」の冒頭などでも
これに似た書法がとられていますね。
演奏方法としては
とうぜん、メロディを際立たせて
伴奏は響きの中へ隠すように静かに弾きます。
特に音域的にメロディの上をいく伴奏は
主役を邪魔してしまいがちなので注意が必要。
欲しい音色を強くイメージすることで
指先はその音色を出せるよう勝手に連動してくれます。
細かいテクニックは要求されますが、
まずは出したい音のイメージがあってこそ。
譜例のところでは
p のダイナミクスになっていますが、
メロディは mf 、最低でも mp で弾いて構いません。
包みこむ伴奏が p のニュアンスで響けば
全体としては p の世界に聴こえるからです。
ほかに意識すべきなのは、
「メロディを出し終わってからも、その音を音価ぶん聴き続ける」
ということ。
頭の中で音を引っ張るような感覚。
そして、
可能な限り指でも音価ぶん引っ張り続けてください。
伸びているメロディ音を聴き続けていないと、
次々と出てくる伴奏を
どのようなニュアンスやバランスで弾けばいいか
わからなくなります。
また、レガートの場合は特に重要であり、
ダンパーペダルに頼り過ぎて
出し終わったメロディ音を放置してしまうと
メロディ同士の音のつながりまでなくなってしまいます。
これは、
ペダルを踏んだままであっても
手はスタッカートにしてメロディを弾くと
出音がレガートに聴こえてこない、
ということからも分かりますね。
具体的な練習方法としては、
「メロディのみで弾いてみてニュアンスとバランスを追求する練習」
を取り入れるといいでしょう。
いつも記事の中で書いていますが、
このような練習をするときには
「伴奏も入れて弾くときの、実際の指遣い」
を使って練習してください。
内声にでてくる場合も含め、
メロディを主役にするコツをまとめます。
◉ 伴奏は響きの中へ隠すように静かに弾く
◉ 特に音域的にメロディの上をいく伴奏には気をつける
◉ のびているメロディは、音価ぶん聴き続ける
◉ のびているメロディは、出来る限り指でも音価ぶん残す
◉ メロディのみで弾く練習を取り入れる
◉ メロディを身体の中で内的に歌えていると出てくる音もつながる
◉ 出したい音を出すテクニックは、強いイメージと連動している
【ピアノ】メロディにまとわりついている細かい音のさばき方
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