今回の話題の中心は、
「有名英語学習参考書におけるメソッドの、ピアノ練習への応用」
筆者が愛用している英語学習参考書に、
「K/Hシステム」というシリーズがあります。
このシリーズでは
簡潔に言うと、
何度も何度も多様なアプローチで聞いたり発音したりして
英語の特徴自体を身体へ入れていく学習法
がとられています。
参考書自体は何百ページもあるにも関わらず、
教材の英文自体は「たったの数行」のみ。
多くの長い英文に触れていく学習法とは対極にあるものです。
この書籍では、
「効果的な学習のためには ”仕込み” が大事である」
と強調されています。
「仕込み」とは、
「その英文に対して、文法的に分からないところが一切無い状態」
にすることです。
既に成人している学習者にとって、
文法的に理解していない英文を何度聴いても
ほんとうの意味で英語は身につかないそうです。
それは、
一時期流行った「聞き流し英語学習法」では
英語が身につかないことが証明していますよね。
つまり、
「リスニングなどの勉強を始める前の段階に時間をかける必要性」
がうたわれているのです。
この「仕込み」の必要性というのは、ピアノ練習においても同様。
新しい楽曲に取り組む際、
無闇に弾いていても
効率が悪いだけでなく
良くないクセまでついてしまう可能性があります。
本格的な弾き込みの前の「仕込み」をする必要があるのです。
例えば、
◉ 運指を念入りに決定し、毎回同じ運指で練習できる準備をしておく
◉(可能であれば)簡単なアナリーゼをしておく
など。
仕込みができているかどうかで
練習の質がまったく変わってきます。
こういったことを後回しにして
とりあえず指を動かしてしまうケースは意外と多いもの。
上記の英語学習参考書の中でも触れられている言葉なのですが、
「deliberate practice よく考えた練習」
が重要なのはピアノ練習でも変わりません。
「よく考えた練習」というのは、
練習する教材(楽曲)の内容が理解できているからこそ実現するもの。
この言葉には
「内容を絞り込む」
という意味も含んでいるように感じます。
幅広く色々な作品に触れることももちろん大事ですが、
「搾り取れるだけ搾り取ってやろう」
と思うような重視する楽曲を1曲決めること。
そして、それを「徹底した仕込み」の後に弾き込むこと。
この一連の過程は
きっと大きく飛躍できるきっかけとなるはず。
大人の方であれば
頭を使って練習できるので、
今回紹介した内容を実践できるかどうかは
やる気と意識次第です。
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