【ピアノ】高音域の特性を考慮したペダリング

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高音域では
比較的長くダンパーペダルを使っても
問題が起きにくい理由と、
その実用例を取り上げます。

 

【ピアノ】なぜ、超高音域にはダンパーがないのにペダルがきくのか

という記事でも書きましたが、

ピアノの最高音域のおよそ1オクターヴ半には

弦の響きを止める装置である「ダンパー」がついていません。

(ピアノの種類によって多少の範囲差はあります。)

 

高音域になってくると

弦が細く短くなってくるので

減衰時間も短くなるために

響きを止めるダンパーが必要なくなるということ。

 

ではなぜ、超高音域にはダンパーがないのにも関わらず

ダンパーペダルを踏むとペダルの効果が出るのでしょうか。

 

理由はシンプルで、

ダンパーペダルを踏み込んだことで

すべてのダンパーがいっせいに弦から離れたため、

最高音域あたりの部分のみを弾いたとしても

他の音域の弦が共鳴して響くからです。

 

ここまでを理解したうえで

以下の譜例を見てみましょう。

高音域の特徴を考慮したペダリング。

 

ショパン「エチュード集(練習曲集)第9番 Op.10-9 ヘ短調」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲尾 64-67小節)

 

ここでは種々のペダリングが考えられますが、

譜例にあるやり方も可能です。

 

65-66小節の上段には

和声音と非和声音の両方が含まれるので

仮にもっと低い音域で演奏されるならば

このペダリングでは濁ってしまいます。

 

しかし、実際にショパンが書いた高音域の場合は

上記のような理由で

それほど濁っては聴こえないため、

このペダリングが可能になる。

 

正直、耳を使えば濁っているかどうかがわかるので

試しているペダリングが使えるかどうかは判断できますね。

しかし、

高音域のこういった特性を踏まえておくことで

高音域のパッセージを見たときに

ひらめくことができるペダリング

が増えるわけです。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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