【ピアノ】なぜペダルの半分踏み替えでバスだけ残せるのか

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ハーフペダルを活用することで
いろいろな音域の音が鳴っている中で
高音のほうの音のみを取り除くことができます。
このテクニックの仕組みを解説します。

 

ハーフペダルというのは、

① 完全に踏みこんでいるダンパーペダルを半分だけ戻し、再び完全に踏み込むこと
② 踏んでいないダンパーペダルを、半分だけ踏みこむこと
③ 低音域の音を強打し、その余韻のみをダンパーペダルで拾うこと

これらの意味がありますが、

今回取り上げるのは①を使ったもの。

 

ひとつの使用例ではありますが、

バスは途切れさせたくないけれど

ウワモノの濁りを解消させたいときなどに

完全に踏みこんでいるダンパーペダルを半分だけ戻して

再び完全に踏み込むテクニックが有効となります。

 

例えば、以下のような例。

 

リスト「コンソレーション第3番」

譜例(PD作品、Finaleで作成、4-5小節)

 

さて、今回取り上げたい話題はここから先。

 

なぜ半分だけ踏み替えると

バスのみを残せるのでしょうか。

厳密にはバス”のみ”ではありませんが

バス以外の響きは相当減衰しますね。

 

ピアノの通常の状態では

各弦に各ダンパーが密着しています。

したがって、

ダンパーが弦の響きを止めているので

弾いてもすぐに音が消えていきます。

一方、

ダンパーペダルを踏むことで

すべての弦からすべてのダンパーが離れます。

結果、弦の響きを止めるものがなくなるので

弾いた音が響くわけです。

 

この状態からさらに

半分だけ踏み替えることをやっているわけですよね。

つまり、

「全ダンパーが全弦に少しだけ触れてすぐに戻る」

ということ。

 

ペダルを踏まずに

低音の鍵盤をスタッカートで弾いた音と

高音の鍵盤をスタッカートで弾いた音を聴き比べるとわかりますが、

低音の響きのほうがずっと長く残ります。

それゆえ、

ダンパーが弦に少しだけ触れると

ただでさえ減衰が速い高音のほうの音が急激に薄くなり、低音は残るのです。

 

いろいろな音域の音が鳴っている中で

高音のほうの音だけを取り除けるテクニックの仕組みを

わかっていただけたかと思います。

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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