【ピアノ】メロディの一瞬の濁りに気を配る

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本記事を読むことで、
一瞬ではありながらも
明らかにぶつかった感のある濁りに対して
意識的になることができます。

 

具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

シューベルト「ピアノソナタ第7番 変ホ長調 D 568 第4楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、25-26小節)

譜例を見ると

1小節2等分の踏み替えで

ダンパーペダルを用いても良さそうですが、

そのやり方だと

耳のいい聴衆は

メロディやバスのちょっとした濁りに

気付いてしまいます。

 

25小節目では

メロディがGes音、バスがA音になるところで

ペダルを離すか

もしくは、踏み替えてください。

 

Allegro moderato と

ある程度のテンポをもって進むので

ペダルを離してしまっても

希薄感を感じることなく

充分成立します。

踏み替えてもいいのですが、

メロディを指でつなげられるので

他の音もペダルで拾ってしまう可能性を考えたら

離したほうが得策だと考えます。

 

(再掲)

26小節目は、

メロディがB音からA音へ動きますが

この短2度が濁らないように

A音のところからペダルを踏み始めてください。

上記と同様の理由で

小節頭はノンペダルでもOK。

 

同小節の最後では

内声にGes音が出てくるところで

ペダルを踏み替えてください。

ここも離してしまっても成立しますが

運指の都合上、

ブツブツ切れずに次の小節へ入りたければ

踏んでもいいでしょう。

スラースタッカートをどのように解釈するかによりますね。

25小節目のペダルを離すところとの違いに

よく注目してください。

 


 

本記事では取り上げたのは

たった2小節ぶんのみですが、

一瞬ではありながらも

明らかにぶつかった感のある濁りに対して

意識的になるには充分ではないでしょうか。

 

一見、長いペダルで通せそうなところであっても

少しでも音響をクリーンにするためには

ペダリングに工夫の余地があるということ。

 

演奏にも作曲・編曲にも言えることですが、

不協和を恐れすぎる必要はありません。

しかし、こういったカンタービレな曲想では

減らせる不協和は減らしても

文句を言う人はいないでしょう。

 

テンポが速すぎる楽曲の場合は

濁りによる踏み替えを意識しすぎると

足元が忙しくて直前の音まで拾ってしまったり

かえって音楽そのものもギクシャクする可能性があります。

その作品の最終的な仕上げ状態も

できる限り想定しながら

ペダリングを決定していくようにしましょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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