【ピアノ】旋律かと思ってしまう伴奏

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本記事では、
「楽曲分析(アナリーゼ)」として
「旋律かと思ってしまう伴奏」を使った
ちょっとしたトリックについて話題にしています。
音楽を深く理解するための第一歩です。

 

譜例を見てください。

サティ「3つのジムノペディ 第1番」

譜例(Finaleで作成、1-2小節)

上段に、「全休符」が入っていることに注目してください。

なぜ声部分けしてまで全休符が入っていると思いますか?

つまり、

サティは作曲段階から

この右手の和音を「伴奏」だと想定しているのです。

聴衆は、5小節目でメロディが出てきたときに初めて、

「今まで聴いていたのは伴奏だったんだ」

と気付くわけです。

(もちろん、すでに有名な楽曲ですので多くの方が知っていますが、

「音楽のつくりの話では」という意味です。)

 

しかし、

もし仮にこの楽曲を全く知らない方が聴いたら

1-2小節目の和音それ自体を旋律だと思うはずです。

 

「旋律かと思ってしまう伴奏」

音楽のつくりのアイディアとして面白いと思いませんか?

私はこういうことを感じるたびに

ワクワクしたりウズウズしたりしてたまらなくなります。

 

こういったことを知っておくと

演奏にも活かせます。

5小節目の旋律が出てきた時に

音色を変えて新鮮な旋律として聴かせる必要があり、

直前の「旋律かと思ってしまう伴奏」と

同じ音色や同じダイナミクスで弾いてしまうのは

楽曲のことをよく理解していない証拠となってしまいます。

 

「旋律かと思ってしまう伴奏」を使った例は

ピアノ曲だけに限らず多くの例があります。

ぜひ探してみてください。

そういった視点で楽曲を聴くクセをつけると

知らずのうちに他の要素のこともよく理解できたり

発見できるようになります。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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