具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第1番 ヘ短調 作品2-1 第2楽章」
譜例(PD作品、Finaleで作成、8-9小節)
8小節3拍目のメロディが「無伴奏部分」です。
したがって、
譜例に示したようなペダリングをしてしまうと、
前の音響が無伴奏部分にもかかってしまうため
音楽的に不自然になってしまいます。
無伴奏部分はペダルで前の響きを残さずに
「solo」にしてあげましょう。
重要な演奏ポイントです。
ここで疑問が出てくるのは「休符」について。
ピアノの譜面というのは
「煩雑さを避けて、なるべく利便性を考えた記譜をする」
ということも重視されます。
したがって、
「譜面上は休符になっていても、ペダルで前の響きを残すべき箇所がある」
というのはとうぜんのことです。
では、
譜例のように「無伴奏」とすべきところは
どうやって見分ければいいのでしょうか。
「アウフタクトの箇所のメロディ」
これが注目すべきポイント。
(再掲)
譜例のように、
アウフタクトの位置(ここでは8小節3拍目)に
次の小節へ向かうメロディが書かれていて、
なおかつ、
その箇所の他の声部が休符になっている場合、
おおかた「無伴奏表現」を意図しています。
曲のはじめにも多いやり方ですね。
(ショパン「ノクターン第1番、第2番」ほか多数。)
とうぜん「無伴奏表現」というのは
アウフタクト以外でもよく出てきますので、
その都度判断していかなくてはいけません。
「ペダルで前の響きを残すかどうか」
こういったことに関わってくる
表現上、非常に重要な観点です。
ぜひ意識してみてください。
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