「楽曲分析(アナリーゼ)」をして楽曲の詳細を見たり、
ていねいな譜読みで、ある程度の楽曲理解を深めたりすることは
演奏の質を上げるためには欠かせません。
とうぜん、
目の前の楽曲における
様式などの理解なくしては
どんなアプローチをするかが決まりませんので
それを理解するためでもあるでしょう。
分析に加えて、作品の背景も知らないといけません。
しかし、もっと身近なところに
楽曲理解を深める利点があります。
楽曲理解を深めると、
自分の耳に理解した内容が届くようになるという利点。
◉ ここのパッセージは、先出の素材をもじってつくられている
◉ ここの和声は、繰り返し前と少しだけ変更されている
などといった楽曲のつくりを知っておくと、
そこを弾くときに
自分の耳がきちんとそこを聴いてくれるようになる。
表現しようと意識を向けることができる。
これが大きいと言えるでしょう。
知らないで弾いていると、
それらの要素は
自分の耳がそう聴いてはくれません。
わかりやすい部分でない限り。
「自分でわからないのであれば、聴衆も分からないような内容じゃないのか」
ということになりそうですが、
音楽にそういった考え方を持ち込んではいけないんです。
わかる聴衆はいて、その人たちをうならせるつもりで
音楽をしっかりと理解した演奏をする。
そうして演奏を深みのあるものにしたうえで
音楽に詳しくない聴衆にも
何かしらを感じ取ってもらう。
必ずしも音楽に詳しくない聴衆が
高度な内容を理解できるかどうかが
問題なのではありません。
目の前の楽曲に対して
できる限り詳しくなって
自分の耳を開かせることを意識しましょう。
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