【ピアノ】「グラデーション」という発想を持とう

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グラデーションというのは通常、
「濃淡の段階的変化(広辞苑より)」
という意味です。
「ピアノ演奏におけるグラデーション」
について知ることで
表現の幅を広げましょう。
「グラデーションを思わせる美しい言葉」
もあわせて紹介します。

 

■「グラデーション」という発想を持とう

♬「ピアノ演奏におけるグラデーション」の具体例

 

具体例を挙げます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ショパン「ワルツ 第3番 イ短調 Op.34-2」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、178-182小節)

取り上げたいのは、

178小節目からの両手のバランス。

左手はメロディですが、右手にもメロディが出てきます。

両方同じくらいのバランスでも成立するのですが、

もう一つの解釈を紹介します。

 

原曲に無い「クレッシェンド」「デクレッシェンド」は

ニュアンスの参考に私が書き入れたものです。

178小節目はまだ左手を主役にしておき、

179小節目の中頃からダイナミクスをグラデーションさせていきます。

「一方を下げると同時に、もう一方を上げることで、ダイナミクスをクロスフェードさせていく」

という意味です。

そうすると、180小節目では右手のメロディが主役になります。

181小節目から左手をクレッシェンドして

再び、左手を主役にします。

 

この解釈であれば、

ショパンの原曲の意図を損なうことなく、

左手のメロディと右手のメロディをすみ分けて

立体的な演奏に仕上げることができます。

 

♬ グラデーションを思わせる美しい言葉

 

「グラデーションを思わせる美しい言葉」

を紹介しておきましょう。

藤原家隆(ふじわらのいえたか)の一首に

以下のようなものがあります。

「花をのみ 待つらん人に 山里の 雪間の草の 春を見せばや」

 

「花が咲くことのみを待っている人に、山里の溶けてきた雪からのぞく春の若草を見せたい」

おおむね、こういったことを言っています。

 

雪の下で、もうすでに緑は芽生えている。

雪がとけて減ることで、それが顔を出すのです。

想像するだけでため息が出るような美しさ

を秘めていますよね。

 

ピアノ演奏におけるグラデーションと

似たところがあると思いませんか?

 

♬ 聴かせたい要素の登場のさせ方

 

ここまでの内容を通して、

グラデーションについてイメージできましたか?

 

聴かせたい要素があるときに、

その要素をドン!と出すのが

いちばんよくあるやり方です。

しかし、

「他の要素がとれて減ってきたら、別の聴かせたい要素が現れてきた」

という出し方もあることを

お伝えしたかったのです。

 

譜例で取り上げた部分以外にも

さまざまな作品で

このやり方が使える場面はあります。

あなたの引き出しに入れておいてください。

 

 


 

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