記事の信頼性
筆者は、音楽大学の学部および大学院を作曲専攻で修了し、
修士号(音楽)を取得しています。
また、音楽大学および音楽専門学校での指導経験も豊富です。
■「グラデーション」という発想を持とう
♬「ピアノ演奏におけるグラデーション」の具体例
具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、178-182小節)
取り上げたいのは、
178小節目からの両手のバランス。
左手はメロディですが、右手にもメロディが出てきます。
両方同じくらいのバランスでも成立するのですが、
もう一つの解釈を紹介します。
原曲に無い「クレッシェンド」「デクレッシェンド」は
ニュアンスの参考に私が書き入れたものです。
178小節目はまだ左手を主役にしておき、
179小節目の中頃からダイナミクスをグラデーションさせていきます。
という意味です。
そうすると、180小節目では右手のメロディが主役になります。
181小節目から左手をクレッシェンドして
再び、左手を主役にします。
この解釈であれば、
ショパンの原曲の意図を損なうことなく、
左手のメロディと右手のメロディをすみ分けて
立体的な演奏に仕上げることができます。
♬ グラデーションを思わせる美しい言葉
「グラデーションを思わせる美しい言葉」
を紹介しておきましょう。
藤原家隆(ふじわらのいえたか)の一首に
以下のようなものがあります。
「花が咲くことのみを待っている人に、山里の溶けてきた雪からのぞく春の若草を見せたい」
おおむね、こういったことを言っています。
雪の下で、もうすでに緑は芽生えている。
雪がとけて減ることで、それが顔を出すのです。
想像するだけでため息が出るような美しさ
を秘めていますよね。
ピアノ演奏におけるグラデーションと
似たところがあると思いませんか?
♬ 聴かせたい要素の登場のさせ方
ここまでの内容を通して、
グラデーションについてイメージできましたか?
聴かせたい要素があるときに、
その要素をドン!と出すのが
いちばんよくあるやり方です。
しかし、
という出し方もあることを
お伝えしたかったのです。
譜例で取り上げた部分以外にも
さまざまな作品で
このやり方が使える場面はあります。
あなたの引き出しに入れておいてください。
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