前提として、
譜読みでは、まず「運指(指遣い)」を決定し、
その後にさらっていく必要があります。
演奏するたびに毎回運指が変わってしまうと
譜読みがはかどらず
「暗譜」をする際に足をひっぱる原因にもなってしまう。
「やりにくい」と感じるところがあったら
その際は変更可能ですが、
その場合にも、
「じゃあ、これでいく」
というような「決定」が必要です。
一方、
運指そのものについては
あれはどうか、これはどうか、
というように
日々追求していくのがいいでしょう。
「応用させるために日頃から情報を集める」
ということ。
運指に関する情報を入手する方法はいろいろありますが、
いちばん身近かつ効果的なのは
以下の3点です。
◉ 作曲家自身がのこした運指を研究する
◉ ピアノ演奏に関する各種書籍を研究する
出版楽譜に補筆された運指を研究する
使用している楽譜に弾きにくい運指が出てきた場合は
「なぜ、この運指が書かれているのだろう?」
などと、音を出しながら考えてみましょう。
音色が理由かもしれませんし、
あるいは
弾きにくいと思っているだけで
実は慣れれば手が安定する運指かもしれません。
反対に、ただ単に手の大きい方向けの運指なのかもしれません。
作曲家自身がのこした運指を研究する
また、
作曲家自身がのこしている運指について研究することで
運指についての知見が広がるだけでなく
その作曲家の奏者としてのピアノテクニックも知ることができます。
ベートーヴェン、ショパン、メトネルなどをはじめとし
多くの作曲家が運指をのこしてくれているので
良い教材となるでしょう。
ピアノ演奏に関する各種書籍を研究する
さらに、
ピアノ演奏に関するたくさんの書籍では
たいてい運指の話題が出てきますから、
それらを通して学習を深めたり
著者の奏者としてのピアノテクニックも学びましょう。
学術論文よりは
ずっと取り組みやすいはず。
こういったリサーチを常におこなうことで
運指に関するありとあらゆる知識やテクニックが
自分の中へ蓄積されていきます。
あらゆる運指を楽譜上で細かく示してくれているのは
◉ 需要のある名曲
◉ 一部の現代音楽
くらいなもので、
他の作品に関しては
自分自身で考えていかないといけない部分が山ほどあります。
そういったときに、
何となく運指をふることができるだけでなく
その音楽のニュアンスをもっとも適切に表現できる運指を
選びとっていかなくてはいけません。
日々おこなっていた運指リサーチが役に立つのは
言うまでもありませんね。
ゆくゆくは、
自身で考えて運指をふる過程で
以前に学んで納得いっていなかったことが腹落ちしたり
新たに自分で気づいたりすることが出てきて
それをストックできるようになるのが理想です。
「運指リサーチを趣味にする」
くらいの気持ちで
面白がって学習してみてください。
【ピアノ】巨匠から学ぶ、速く弾ける半音階の運指
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