楽譜に書かれている運指は
基本的に研究されたうえで書かれているので、
したがっておけば
上手くいくことのほうが多いでしょう。
ただし、自分の手の大きさや開き方やその他特性は
自分がいちばんよく知っています。
最終的には自分でひとつひとつ
「これでいく」という決定をしながら
すべての運指を決定していかなければいけません。
避けるべきなのは、
書かれている運指では明らかにできないと
薄々感じているのに、
出来るまで頑張ってしまうこと。
そのようにしてしまうと
ものすごく辛いうえに
何となく出来るようになったと思っても
結局、安定しなくて悩まされることになります。
例えば、以下の譜例を見てください。
モーツァルト「ピアノソナタ 変ロ長調 K.281 第1楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、3-4小節)
左側の譜例へ書き込んだ運指は
いくつかの版でも採用されている運指です。
しかし、カギマークで示した部分の連結が
少なくとも筆者にとっては難しく感じます。
テンポは Allegro ですし、
跳んですぐに3度音程を5の指でつかもうとすると
ミスにつながったりギクシャクしたりしてしまいます。
この状態で出来るまで頑張ってしまうのではなく、
右側の譜例のような案を試してみると
ずっと弾きやすく感じるはず。
(再掲)
32分音符の最後の音を「4の指」で弾いておいて
そのまま4小節目の頭の音を「1と2の指」でつかむんです。
4小節目では3度音程を連続で弾かないといけませんが、
譜例へ書き込んだように
ダンパーペダルでサポートすれば
その後の音を弾くときにも
ブツブツ切れることはありません。
これ、何をやったのかというと、
「今の運指のままだとカギマークの部分が弾きにくい」
という問題点が浮上したので
その前からの運指を変更して対応できないかと逆算して
問題解決をしたわけです。
この例を通じて
「書かれている運指が合わないのに、出来るまで頑張らない」
ということを腑に落として
練習へ向かって欲しいと思っています。
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