「上達のためのピアノ奏法の段階」井口基成 (著) 音楽之友社
という書籍に、以下のような文章があります。
(以下、抜粋)
私の師イーヴ・ナットは次のようにいつている。
「弾き方をかえるのは、やさしくするためではなく、自分の感ずる良い響きに近づけるために行うのである」と。
(抜粋終わり)
私の師イーヴ・ナットは次のようにいつている。
「弾き方をかえるのは、やさしくするためではなく、自分の感ずる良い響きに近づけるために行うのである」と。
(抜粋終わり)
これは、ぜったいに踏まえておくべきこと。
場合によっては
やさしくする意図をもって分担するのも構いませんが、
必ず同時に、音楽自体が意図する表現から離れてしまわないかどうかに
注意しなければいけません。
上記抜粋のような
「良い響きに近づける」
という考え方と表裏一体です。
もっとも一般的な良くない例としては、以下のようなものがあります。
急速な駆け上がりのパッセージなどで
片手で弾いたほうが一息で弾けるのに、
やさしくしたいがために両手で分担してしまうことで
音楽が聴覚的にも視覚的にも分断されてしまう
片手で弾いたほうが一息で弾けるのに、
やさしくしたいがために両手で分担してしまうことで
音楽が聴覚的にも視覚的にも分断されてしまう
また、もっと極端な例ですが、
ショパン「エチュード Op.10-1」の1小節目の右手を
両手で分担してみたと仮定しましょう。
出てくる音楽が
聴覚的にも視覚的にも不自然なものになってしまうのがわかりますね。
手が10度に大きく広がり
身体的な緊張が高まるからこそ
音楽も10度の緊張に広がるんです。
こういった緊張を
ラクをするための両手の分担で
途切れさせないようにしましょう。
◉ 上達のためのピアノ奏法の段階 井口基成 (著) 音楽之友社
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