具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第22番 BWV 867 ロ短調 より プレリュード」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲尾)
最終小節は5声で終わり、
ソプラノでは全音符B音にフェルマータが書かれています。
他の声部では3拍目に書かれていますね。
もちろん、
全声部を同時に切ればいいわけですが
もう少し突っ込んで考えてみましょう。
「フェルマータが書かれた部分はどれくらい伸ばすべきなのか」
ということが
音楽用語集によってもさまざまであるため、
結局のところ
その音楽ごとに解釈するしかないわけです。
ただし、
作品によっては
楽曲の最後などで
他の声部を先に消して
一声部だけを残して終わらせるものもあるため、
譜例のような書かれ方をしていると
一瞬戸惑いが起きたりするのです。
決してJ.S.バッハが悪いわけではありません。
しかし、
もし私が今の時代に作曲するとしたら、
次の譜例のように書くでしょう。
(譜例、ソプラノを解釈しやすくしたもの)
このように、
2分音符2つをタイで結び
後ろの2分音符にフェルマータを書くことで
演奏者に解釈の迷いを与えなくなり
他の声部との整合性をとることができます。
加えて、
「一時停止」という意味があるフェルマータの本質から外れることもありませんね。
この作品を演奏する場合は
私が書き直した位置に
フェルマータがあると思いながら演奏してOKです。
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