4分音符や8分音符にスタッカートが付けられていることは
よくありますが、
古典派の作品などを中心に
「2分音符に付けられたスタッカート」
も目にすることがあります。
「長い音価にスタッカートと言われても」と思いますよね。
これはどういう意図なのでしょうか。
もし仮に
「スタッカートは適当に短く切る」
とだけ思っていると、出口は見えてきません。
例外もありますが、
基本的にこの記譜は
「スタッカートが付けられた音符は、音価を約半分に切る」
という古い考えから来ている記譜だと考えてください。
とうぜん、
現代ではこんなに形式ばったスタッカートの解釈はせずに
楽曲のテンポやスタイルなどを総合的に判断して
程度を決定していくことになりますが。
では、なぜ「4分音符+4分休符」ではなく
「2分音符+スタッカート」で表現したのでしょうか。
これに関しては、
あらゆる推測が可能です。
ひとつ考えられるのは、
「エコーをつけたかったのではないか」
ということ。
別の言い方をすると、
「2分音符+スタッカート」のほうが
余韻を感じさせる記譜であるということ。
(譜例)
譜例を見てください。
「4分音符+4分休符」よりも
「2分音符+スタッカート」のほうが
2拍目にも余韻を感じませんか。
また、そもそもなのですが
「2分音符+スタッカート」のほうでは
少なくとも楽譜上の音価は埋まっているので、
2拍目に音符は入れられないという点で
楽譜の意味合いからして
まったく別のものです。
これらのように、
たとえ似たようなことを表す場合でも
「それが譜面へどう書かれているのか」
ということによって
楽譜から伝わるものが大きく異なってくることを
弾き手である読み手は理解しておくべきです。
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
Twitter
https://twitter.com/notekind_piano
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg
筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。
コメント