【ピアノ】フェルマータの長さが分かりにくい例と解決策

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本記事では、
演奏方法に迷いやすい例のうち
フェルマータの長さが分かりにくい例
について取り上げます。

 

具体例を挙げます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第22番 より プレリュード」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲尾)

 

最終小節は5声で終わり、

ソプラノでは全音符B音にフェルマータが書かれています。

他の声部では3拍目に書かれていますね。

もちろん、

全声部を同時に切ればいいわけですが

もう少し突っ込んで考えてみましょう。 

 

「フェルマータが書かれた部分はどれくらい伸ばすべきなのか」

ということが

音楽用語集によってもさまざまであるため、

結局のところ

その音楽ごとに解釈するしかないわけです。

 

ただし、

作品によっては

楽曲の最後などで

他の声部を先に消して

一声部だけを残して終わらせるものもあるため、

譜例のような書かれ方をしていると

一瞬戸惑いが起きたりするのです。

 

決してJ.S.バッハが悪いわけではありません。

しかし、

もし私が今の時代に作曲するとしたら、

次の譜例のように書くでしょう。

 

(譜例、ソプラノを解釈しやすくしたもの)

このように、

2分音符2つをタイで結び

後ろの2分音符にフェルマータを書くことで

演奏者に解釈の迷いを与えなくなり

他の声部との整合性をとることができます。

加えて、

「一時停止」という意味があるフェルマータの本質から外れることもありませんね。

 

この作品を演奏する場合は

私が書き直した位置に

フェルマータがあると思いながら演奏してOKです。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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