【ピアノ】音楽を前のめりにしても問題が起きにくいところ

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ちょっとしたアゴーギクや
accel.を伴ったテンポ変化など、
特定の音楽には動きがあるもの。
本記事では、
どういったところで
前向きテンポが違和感なくハマるのかについて
解説しています。

 

音楽を前のめりにしても問題が起きにくいところの例を

いくつか挙げていきます。

 

「緩・急・緩」の急

 

具体例を挙げます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ショパン「バラード第1番ト短調 作品23」

譜例(PD作品、Finaleで作成、33小節目)

このような

「カデンツァ的なパッセージ」

を音楽的に弾くコツは

「緩・急・緩」

このルバートにのっとって弾くこと。

 

つまり、

パッセージの入りはゆっくり目に入り、

そのあと少しまいて

後半からまた少しゆるめる。

極端な言い方をすると、

パッセージの中で

テンポの動き方を

「鏡」のような対称的に近いものとする。

 

このようにすると

自然なアゴーギクが生まれ

なおかつ、演奏もしやすいのです。

 

譜例に書き込んだ「緩・急・緩」の文字の位置は

あくまでおおよその目安ですが、

イメージはつかめるはずです。

 

こういった「緩・急・緩」の急では、

テンポと言ったら語弊があるかもしれませんが

音楽の流れを前のめりにしても

問題は起きません。

そのやり方が極端でなければ。

 

同じブロックの繰り返しによる咳き込み

 

これについても、ひとつ例を挙げます。

 

シューマン「ピアノソナタ 第3番 ヘ短調 Op.14 第4楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、161-164小節)

この箇所のような

「同じブロックの繰り返しによる咳き込み」では、

音楽を前のめりにしていっても

違和感が生じにくい傾向にあります。

 

作品にもよりますが、

こういった執拗な繰り返しというのは

あおっていく表現として使われることも多いので

そのようなところでは特に

問題は起きにくいと言えるでしょう。

 


 

上記の2項目は

いずれもaccel.と書かれていないけれども

音楽が前向きになってOKの例です。

一方、逆の発想として

「力のある作曲家がaccel.と書いているところを調べて、その音型をみる」

という方法をとることで

どういった音型のところでは

音楽を前のめりにしても問題ないのかを学ぶことができます。

 

力のある作曲家は

音楽のエネルギーに反したやり方で

各種指示を残すことはしませんから。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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