上記の記事では
ラヴェルの作品を例に挙げましたが、
今回は別の作曲家による作品例を見てみましょう。
シューマン「幻想曲 Op.17 第3楽章」
譜例(PD作品、Finaleで作成、5-6小節)
ここでは
内声にメインのメロディが浮かび上がってきますが
それを追っかけるように
丸印で示した音がエコーしています。
メロディを遅れてなぞっているわけですが
ただなぞっているだけでなく
“オクターブ上” でエコーしているので
それがまた良い味を出していると言えるでしょう。
もう一例を挙げます。
モーツァルト「ピアノソナタ第11番 K.331(トルコ行進曲付き) 第3楽章」
譜例(PD作品、Finaleで作成、88-89小節の上段)
メインのメロディは親指で演奏する音です。
この例でもやはり
1オクターブ上で遅れて鳴らされている音が
メインのメロディをエコーしています。
こういったオクターブの分散トレモロをエコーと捉えることは重要。
高い音を無理に際立たせようとするのではなく
親指で弾く音に重心をもって
高い音はむしろ軽く弾くようなつもりで演奏すると
エコーの効果になり音楽的ですし
テクニック的にもずっと弾きやすくなります。
ちなみに例外もあり、
別の楽曲で強拍の位置がズレているものでは
それぞれ別個に考え直す必要があります。
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