具体例を見てみましょう。
楽曲が変わっても考え方は応用できます。
ショパン「エチュード op.25-12(大洋)」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
筆者は、音楽表現における「タメる」という言葉が
好きではないのですが、
イメージがつきやすいと思いますので
使って解説します。
2小節目の頭の矢印で示したところを見てください。
解釈のひとつとして
「この小節頭の音でわずかに待つ(タメる)」
というやり方があります。
このような方法をとるときに気をつけるべきことは、
「原則、拍へ入る前に待たず、入ってから待つ」
ということ。
つまり、
前の小節の4拍目などでゆっくりしてしまわず
in tempo で次の小節へ入ってしまい、
入ってから ”最初の音のみ” を使って ”わずかに” 待つ。
このようにすることで
音楽の方向性を見失わずに弾き進めることができます。
「ゆっくり練習(拡大練習)」をしているときから
心がけておかないと、
テンポを上げたときにも
拍へ入る前に待つクセが残ってしまうので
注意しましょう。
「拍へ入る前に待たず、入ってから待つ」
これを、
「ピアニズムへのアプローチ 音楽的なピアノ演奏法」 著 : 大西愛子 / 全音楽譜出版社
という書籍では、
以下のような分かりやすいたとえで表現しています。
音楽は拍から拍へと流れます。
歩くのと同じように足を上げたら、
その足が地に着かないと困りますが、
両足が地についている中は、
次に上げる足は幾分遅れても、
たいして変には感じません。
(抜粋終わり)
拍へ入る前に待ってしまうのと
入ってから待つのとでは
どのように表現の差が出てくるのかを
実際に試して確かめてみましょう。
音楽の流れがまったく異なるのが分かるはずです。
◉ ピアニズムへのアプローチ 音楽的なピアノ演奏法 著 : 大西愛子 / 全音楽譜出版社
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