今回は、
ショパン「エチュード(練習曲)op.25-1 エオリアンハープ」
を題材に解説します。
楽曲が変わっても基本的な考え方は同様です。
という記事で書いたように
「rit. が書かれていないけれども、表現としてテンポをゆるめたいところ」
というのは
この作品にも出てきます。
例えば、以下のようなセクションの変わり目。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、7-8小節)
「8小節目の最後では、rit. と思わずに ”やや息を入れるだけ” という意識で弾く」
このようにすることで、
音楽を停滞させずにテンポをゆるめることができます。
では、
このやり方を使いさえすれば
フレーズが終わるごとに
いつもいつでもテンポをゆるめていいのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。
あらゆるところで
いちいちテンポがゆるんでしまうと
段落感がつきすぎてしまいます。
この作品でいうと、
「フレーズが細かくなったところ」では
変にテンポを動かさずにサラリと先へ行くべきです。
具体的には、以下のところ。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、23-24小節)
長いフレーズが特徴的なこの楽曲の中にあって
譜例のところでは
「1小節ごとのフレーズ」になっています。
こういった箇所(下矢印で示した箇所)では
大きな呼吸はとらずにサラリと次へ進みましょう。
音楽の流れを考慮すると
1小節ごとわざわざ段落感がついたようには
聴こえさせたくないからです。
それをやってしまうと
音楽が停滞するのは目に見えています。
「フレーズの細かさの変化が、テンポの動かし方のヒントになる」
このことを知っておきましょう。
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