ドビュッシーは
複数の作品において
「テンポ変化」や「ダイナミクス変化」の様子を
細かく書いたことで知られています。
それらの具体例と演奏ポイントを見ていきましょう。
♬ テンポ変化
テンポ変化については
以下のような例があります。
「映像 第1集 2.ラモーを讃えて」において
楽曲の締めくくりである
「コーダ(65-76小節)」より
◉ 72小節目の Retenu
◉ 74小節目の Plus retenu
この3段階をわざわざ指示したうえで
テンポがゆるんでいく。
演奏にあたっては
最終的な行き先のテンポから逆算しておく必要が出てきます。
♬ ダイナミクス変化
ダイナミクス変化に関しては
以下のような例があります。
ドビュッシー「前奏曲集 第1集 より 沈める寺」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、42-45小節)
ここでは、
p 以下のダイナミクスが
p を含めて「4段階」も指定されています。
più を用いたこのような細かなダイナミクス指示は
ドビュッシーがたびたび用いた記譜で
「前奏曲集 第2集 花火」の曲尾などにも見られます。
現代においては珍しくありませんが、
当時の作品の中にあっては少数の記譜でした。
演奏方法については
以下の記事を参考にしてください。
ドビュッシーは
他にも「映像 第1集 1.水の反映」他多数で
このような
「途中経過を細かく書いたダイナミクス記譜」
を試みています。
テンポとダイナミクスに関して見てきましたが、
このような途中経過を
作曲家が意図的に細かく書いたわけですから、
「見通しを立てたうえで演奏をまとめていかなければならない」
と言えます。
音楽の方向性が見えにくくならないように
変化の行き先から逆算する視点をもって、演奏しましょう。
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