記事の信頼性
筆者は、音楽大学の学部および大学院を作曲専攻で修了し、
修士号(音楽)を取得しています。
また、音楽大学および音楽専門学校での指導経験も豊富です。
「クライマックスの活かし方」は、注意が必要です。
特に、クライマックスが何回か出てくる楽曲では、
「1番のヤマのつくりかた」に気をつけないと、
ヤマがいくつもできてしまいます。
重要なことですので、もう少し踏み込んだ話をします。
例えば、「トロンボーン」という楽器は、
ppp から fff まで幅広いダイナミクス(強弱)のコントロールが可能です。
思いきり吹けば、
オーケストラの他の全員が
「トゥッティ(全奏者での合奏)」で演奏していたとしても
それらを圧倒してしまいます。
それに対して、
「オーボエ」という楽器は、
ダイナミクスという観点ではそこまで幅を持っていません。
楽器の特性として、
f と書かれていても fff と書かれていても
それほど差をつけられないのです。
それでは、「ピアノ」の場合はどうでしょうか。
ピアノは「オーケストラ」と言われるほど多彩な楽器ですが、
よく考えてみると、
強弱をコントロールできる幅は限られています。
「一度にたくさんの音を出すことができる」
という点では強弱もカバーできますが、
例えば「1つの音(単音)」で表現できるダイナミクスの幅は、
トロンボーンの単音のように広くはありません。
それに、力強く10本の指で和音を弾いたとしても、
オーケストラの他の全員がトゥッティで演奏している音量に対抗はできません。
ピアノ協奏曲でピアノがよく聴こえるのは、
「聴こえるように注意深くオーケストレーションされているから」
というわけなのです。
それに、
主役をたてるためにリハーサルで細かなダイナミクス調整をしています。
ここまでの例で何を言いたかったかというと、
ピアノを演奏する場合、
「クライマックスのつくりかた」
つまり
「1番のヤマのつくりかた」に
思っている以上に気をつけないと、
ということです。
新しい楽曲に取り組むときには、
その楽曲の中で
◉ 一番鳴らす箇所
両脇であるこれらの対照的な2つの幅を決定してみると、
他とのダイナミクスバランスがとりやすくなる上に
方向性がはっきりした音楽になります。
そして、ff などを見ても
それが何回も出てくる場合は、すぐにマックスにならないこと。
加えて、
f と ff の差を出すためにも、f の度合いをよく考えること。
これらを意識しておけば、
一番聴かせたいクライマックスを
活かすことができるでしょう。
関連内容として、
という記事も参考にしてください。
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