ツェルニー40番をやってきたということは
正統派的に積み上げていく学習法をとっていることになります。
まず考えるべきなのは、
という観点です。
【ピアノ:独学】ソナチネからショパンエチュード入門までのロードマップ
という記事でも書いた通り、
ショパンのエチュードにすぐ入ってしまっても弾ける曲はあります。
一方、
ある程度時間を確保できる学習者が
しっかりと段階を踏んで
ショパンのエチュードに入りたいのであれば
40番の後にもう少しエチュードを挟むのがいいでしょう。
定番なのは、
◉ モシュコフスキー 15の練習曲 op.72
◉ クラーマー=ビューロー 60の練習曲
◉ ケスラー、ラフマニノフ、ドビュッシー のエチュード
等でしょう。
私のオススメは、
◉ モシュコフスキー 15の練習曲 op.72
これらのどちらかです。
ラフマニノフの「絵画的練習曲」は
いわゆる芸術的な楽曲としての作品。
ドビュッシーの「ピアノのための12の練習曲」は
40番の後すぐに入るというよりも
ショパンのエチュードと併用するくらいの高度なものです。
したがって、
「フィジカル的に弾きにくさがある訓練的なエチュード」で尚且つ
「難しすぎないもの」を選ぶのがベターということなのです。
ショパンのエチュードへの接続を考えた場合、
私はモシュコフスキー op.72から2〜3曲抜粋して与えることが多くあります。
ただし、徹底的に仕上げるように指導します。
生徒によってはモシュコフスキーを全部与えることもありますが、
2〜3曲を確実に仕上げたら
いったんショパンのエチュードに入り、
必要に応じて訓練的なエチュードも追加する方法をとります。
ツェルニー50番を使う場合も、
全部を与えることは滅多にしません。
生徒が音高を受験するときに「50番の最終曲」が課題だったことはありますが、
正直、試験向きで尚且つ長い時間かけて向き合うべき楽曲としては
他にもっと音楽的な作品があるだろうなと思ってしまいました。
そこまで弾きこまないにしても
結構大変な50曲全てをこなすのは相当な時間がかかります。
40番のレベルの楽曲を40曲仕上げるのとは全く違うのです。
私は、
「クラーマー=ビューロー」「ケスラー」などというエチュードも抜粋でやりましたが、
作曲の観点から見ると
内容はモシュコフスキーの方が音楽的です。
モシュコフスキーは「訓練性」と「音楽性」を併せ持っている楽曲が多く、
「op.72 No.6」はユンディ•リのレパートリーとしても知られていますよね。
あえてクラーマー=ビューローやケスラーをやるくらいであれば
今までの延長のツェルニーで充分、
そしてモシュコフスキーはもっと楽曲的という印象です。
さて、まとめます。
「ツェルニー50番 から抜粋」
もしくは
「モシュコフスキー 15の練習曲 op.72 の全部もしくは抜粋」
に取り掛かる。
そして
いったんショパンのエチュードに入り、
必要に応じて訓練的なエチュードも追加する。
というのが
割と多くの方にとって有益なルートになるかと思います。
ツェルニー50番やモシュコフスキーop.72は
楽譜を見るだけで
何の訓練なのかがはっきりと分かる楽曲になっていますので
どの曲を抜粋するかは
ご自身の課題と照らし合わせて判断すればいいでしょう。
この段階まで独学で来た方には
それができるはずです。
ちょっと変わった志向としては、以下のような楽曲もあります。
【ピアノ】独学者向け!ツェルニー50番の代用としてオススメの教材
もちろん、
余裕のある方は
併用教材として
バッハなどもこなして行ければベストですね。
◉ツェルニー50番練習曲 全音楽譜出版社
◉モシュコフスキー 15の練習曲 全音楽譜出版社
Amazon著者ページ
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