結論的には、
すべての音をきちんと弾こうとせず、
出す音と隠す音を区別して弾き分ければ、
速く弾けるようになります。
ざっくり言うと
「重要でない音を、良い意味で手抜きする」
ということ。
今回は
◉ 高速連続和音
これら2パターンの具体例を取り上げます。
まずは、「高速分散和音」の例です。
具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第23番 熱情 ヘ短調 op.57 第1楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、55小節目)
音を出してみると分かりますが、
◉ 下段は、丸印で示した音が「バス」であり「幹になる音」
このようになっています。
したがって、
これらの重要な音だけハッキリと弾いて
他の細かい音は余力で弾くようにする。
そうすると、
すべての音をゴリゴリ弾くよりも
ずっとラクに速く弾けるのです。
続いて、「高速連続和音」の例です。
次の譜例を見てください。
先ほどの例では、
重要な音を見極めようと思った時に
メロディやバスを拾い出せば良かったのですが、
この譜例の箇所はメロディではありませんし、
すべてがバス音のようにも感じます。
そこで、
「各拍の頭の音」に注目します。
「カッコ付きアクセントで示したように、各拍頭に重みを入れる」
実際には書かれていない
このような重みを入れることで
各拍が安定しテクニック的に難易度が下がります。
速い速度で弾けるようになるのです。
もちろん、
アクセントをやりすぎると
音楽そのものが変わってしまうので、
少し重みを入れる程度にしましょう。
全体をガンガンガンガンガンと弾いてしまうと
ただの「音のカタマリ」になってしまいます。
したがって、
難易度の問題だけでなく
音楽的にも有効な方法と言えます。
の冒頭などで出てくる音型です。
速いパッセージが弾けるようになるための「練習方法」などは、
以下の記事を参考にしてください。
本記事でご紹介した「楽曲分析」の観点とあわせて学習すると
たいへん効果的です。
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