【ピアノ】アルベルティ・バスでフィンガーペダルを使うかどうか

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本記事では、
アルベルティ・バスにおけるバス音の扱い方を
フィンガーペダルに焦点をあてて
解説しています。

 

アルベルティ・バスが出てきたときに

その構成音、特にバス音を

演奏者の判断によりフィンガーペダルで残すことは

よくおこなわれています。

 

例えば、次の譜例のように。

 

モーツァルト「ピアノソナタ K.545 第2楽章」

譜例(PD作品、Finaleで作成、曲頭)

フィンガーペダルで残すバスを声部分けしました。

このように弾くことで

バス音が伸びるため

たとえ伸ばさない場合と同じ音量で弾いたとしても

響きが印象深くなりますし

かつ、多声の表現にもなります。

 

特に緩徐楽章などのゆったりとしたテンポの場合は

フィンガーペダルを活用するかどうか検討してみましょう。

テンポ的にひとつひとつの音の表情がよく聴こえるので

ノンペダルかつフィンガーペダルなしだと

音響が薄く感じてしまう可能性もあるからです。

 

次に、

フィンガーペダルを使わないほうがいい例を挙げます。

 

モーツァルト「ピアノソナタ K.333 第1楽章」

譜例(PD作品、Finaleで作成、57-58小節)

Allegro の楽章です。

このような

速度のある中でおこなわれる

16分音符よりも細かな音価によるアルベルティ・バスでは

基本的に、あえてバスをフィンガーペダルで残す必要はありません。

 

残さないほうが軽さが出るので

少なくとも、この楽曲の性格やテンポには即していますし、

1音1音があっという間に通り過ぎていくので

ゆったりとしたテンポのときのような

音響の希薄さは感じないからです。

また、

フィンガーペダルを使わないことで

小指のバウンドをバネにできるので

速い速度の場合は

むしろ弾きやすくもなります。

 

もう一例見てみましょう。

 

モーツァルト「ピアノソナタ K.545 第1楽章」

譜例(PD作品、Finaleで作成、曲頭)

この例は、

演奏者によって

フィンガーペダルを使う場合と使わない場合が

分かれる傾向にあります。

Allegro の楽章ですが

8分音符による伴奏なので

それほど急速ではないからです。

 

今回取り上げた3つの例を比較して

それぞれのアルベルティ・バスにおける表現の違い

を把握してください。

 

テンポや音価の細かさはもちろん、

そのアルベルティ・バスが置かれているところの性格なども

フィンガーペダルを使うべきか、

そして、どれくらい指で残すべきなのかの判断材料になります。

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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